
第1刷:2026年8月24日 第2刷:同年10月1日
「コロナ禍の頃、無観客試合というのがあったが、昭和のパ・リーグを経験した選手たちは、みんなあの頃を思い出したはずだ。
我々は毎試合、『ほぼ無観客試合』をやっていた」
本書のこの一節に、僕と同世代の読者なら大きくうなずくか、腹を抱えて笑ったはずだ。
今振り返ると、どこのパ・リーグ球団も親会社も、よくもまあ、あんな赤字興行を毎年毎年、何のテコ入れもせずに繰り返していたものだと思う。
誰も観ていないからと思っていたからかどうか、当時のパ・リーグでは警察沙汰になってもおかしくない事件が頻発していた。
江本さんは本書で、暴徒と化したファンがビジターチームの移動バスを取り囲んで動けないようにした上、石を投げつけて窓ガラスをたたき割ったなどという物騒な話も紹介している。
一方、アクが強くて豪放磊落な選手の武勇伝も多く、江本さんの東映の先輩だった張本勲、大杉勝男らは打棒だけでなく、しばしば起こった乱闘でも大活躍していた。
また、江本さんが「史上最高の二遊間」と呼ぶセカンド大下剛、ショート大橋穣は、走者のいない状況でも捕球したら6-4-3、4-6-3と送球し、試合中にダブルプレーの練習をしていたという。
パワー全盛の今日、そうした昭和時代の職人芸はまったく見られなくなりましたね。
昔の面白いところがいっぱいあったのに、最近はすっかり廃れちゃったなあ、とオールドファンがシミジミと往時のプロ野球を偲ぶ1冊でした。
😁🤣🤔🤓
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