
第1刷:2008年8月10日 第57刷:2026年8月10日
単行本発行:文藝春秋 2005年8月
そうだったのか!
と、東野圭吾さんの遺作『永遠の記憶』を最後まで読み、『容疑者xの献身』を思い出して、衝撃を受けた読者はさぞかし多いことだろう。
あるいは、僕のように『容疑者x』より先に『永遠の記憶』を読み、いったいどういうことかと後で『容疑者x』を読んで、ああ、そういうことだったのかと合点がいった、という読者も少なくないはずだ。
僕は『容疑者x』は読んでいなかったが、福山雅治主演の映画版はWOWOWで観ており、『永遠の記憶』の終盤に出てくる人物の名前も覚えていた。
この人物を演じた堤真一の演技が大変印象に残っていたからである。
そこで今回、『容疑者x』と『永遠の記憶』の終盤を照合しながら読み進め、改めて東野作品の仕掛けの巧みさに驚き、奥の深さに感銘を受け、両作品の内包する荘厳なテーマが初めて胃の腑に落ちてきたような気がした。
これから『永遠の記憶』を読もうと思っていて、まだ『容疑者x』を読んでいないという人は、ぜひとも『容疑者x』から先に読むことをお勧めします。
ちなみに、僕が買って読んだ『容疑者x』の文庫版57刷は、『永遠の記憶』の初版と同じ、今年8月10日に発行されている。
文藝春秋が東野さんの急逝による売り上げの増加を期待してのことだろうが、『永遠の記憶』に触発されて購入する読者も多いと見込んでのことに違いない。
それにしても、もしまだ東野さんが生きていたら、『永遠の記憶』の続編であり、『容疑者x』へ回帰する作品を書く意思はあったのだろうか。
『永遠の記憶』が帯のキャッチコピー「ガリレオ、最後の謎」となってしまったのが惜しまれてならない。
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