『果てしなきスカーレット』(WOWOW)😉

111分 2025年 東宝、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

国際的評価の高いアニメ界の巨匠・細田守が原作、監督、脚本の1人3役で作り上げたファンタジー大作。
完成度の高さには文句のつけようがないが、興行的にふるわなかったのは恐らく、これまでの細田作品と比べて重苦しい作品だったからだろう。

16世紀末のデンマークで、国王のアムレット(声:市村正親)が王座を狙う叔父クローディアス(同:役所広司)に国家反逆罪の罪を着せられて処刑される。
復讐を誓った王女スカーレット(同:芦田愛菜)はクローディアスを毒殺することに成功するが、自分も毒を盛られて死んでしまった。

スカーレットは死者と生者が混在する異世界を彷徨うことになり、クローディアスがここから理想郷らしき「見果てぬ場所」を行こうとしていることを知る。
クローディアスを追い求めて旅を続けていた最中、スカーレットは現代の日本からやってきた看護師の聖(ひじり、同:岡田将生)と巡り会い、父の仇が放った刺客を次々に撃退。

しかし、相手が敵であっても傷の治療をする聖の姿に感化されたスカーレットは、父の復讐をすることが人間として正しい行為なのかどうか、疑問を抱くようになる。
ダンテの『神曲・煉獄編』がモチーフになっているという異世界の見事なビジュアルを背景に、スカーレットの苦難と成長の過程が力強く描かれており、観るものを惹きつけずにはおかない。

とりわけ、「見果てぬ場所」の前でスカーレットとクローディアスが対峙するクライマックスが実に素晴らしい。
ただ、明るく楽しいファンタジーを期待して観たら、この最大の見せ場に辿り着くまでに疲れてしまうかもしれませんが。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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