
日本SFの巨匠・小松左京の同名原作小説を映画化した『日本沈没』(1973)のリブート版テレビドラマ。
時代設定が2023~24年とあり、かなり大胆な改変が施されていて、僕のようなオリジナル版を何度も繰り返し観たファンにとっては見方が分かれるだろう。
原典との一番大きな違いは、主人公を田所博士や潜水艇操縦士の小野寺ではなく、政府の内部組織「未来推進会議」のリーダー小栗旬に設定したこと。
田所博士を香川照之、総理大臣を仲村トオル、総理を影で操る政権与党の顔役、副総理兼財務大臣を石橋蓮司が演じている。
このうち、個人的印象としては、香川の田所博士は最初から最後まで滑っている感が強い。
ミュージシャンぽいヘアスタイルといい、大仰なセリフ回しといい、香川が「沈没が始まるぞ~!」と声を荒らげるたび、画面一杯に〝作り物〟感が溢れる。
一方、天海の相棒の松山ケンイチは、さすが演技派と言うべきか、小栗の受けに回ってなかなかの好演。
実は大企業・常盤ホールディングスの御曹司で、顔役・石橋の前では猫をかぶっているという坊ちゃん体質と若手官僚のしたたかさを巧みに表現している。
お話がご都合主義で展開するのはやむを得ないとして、もう少し丁寧に作り込んでほしかったディテールもいくつか目についた。
とくに前半、小栗と杏が毎朝新聞(モデルは言うまでもなくTBS系列の毎日新聞)に沈没情報をリークして石橋を揺さぶろうとするあたり、全国紙がこんな計略にハマるわけないだろう、とツッコミを入れたくなりましたね。
その半面、オリジナル版や原作にはなかった日本国民の海外脱出の過程を、世界各国との交渉から国内の抽選方法まで、詳しく描き込んでいるところには感心させられた。
その最中に世界的規模で新たな感染症が発生するくだりは、まだコロナ禍の記憶が残っているぶん、日本列島が沈没していく場面よりも生々しさがあったね。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑