『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(Netflix)🤨

86分 1967年 東宝

Netflixが『ゴジラ-1.0』(2023)の配信開始に合わせてラインナップに挙げたゴジラ作品の1本。
本作は2015年にWOWOWの特別企画〈史上初!ゴジラ全30作品一挙放送〉でも放送されており、当時も旧サイトにレビューを掲載している。

なぜ還暦を過ぎた今でも再見して感想を書きたくなるのかと言うと、これは劇場公開当時、僕が生まれて初めて映画館で観たゴジラ作品だからだ。
場所は広島県豊田郡安芸津町(現東広島市安芸津町)の国鉄の安芸津駅近くにあった安芸津劇場。

1階席は椅子席、2階席は畳席で、恐らく50人程度しか入らない小屋だったはずだ。
1階の隅に売店があって、父親に〈マミー〉という1袋10円の(割りに量が多かった)ビスケットを買ってもらい、2階でパクパク食べながら見ていた思い出がある。

この劇場では本作のほかにも、東映のモノクロ実写版『黄金バット』(1966)を観ている。
そのどちらかが生まれて初めて劇場で見た映画に違いないのだが、いまとなってはどちらが先だったのか判然としない。

もしかたしたら2本立てだった可能性もある。
東宝のゴジラ映画に東映の黄金バットが1年遅れで併映されるなど、いまでは到底考えられないことだが、なにしろ昭和40年代前半の田舎劇場だったからねえ。

本作はゴジラの着ぐるみが大きさ、デザインともに従来の作品とはいささか異なっている。
息子のミニラより大きくなければならないために背が高くなり、父親らしい優しさを出そうとしてか、目がクリッとしていて迫力に乏しい。

僕は生まれて初めて見たゴジラが本作だったので、いまでもゴジラには「怖い」というイメージがない。
学生時代、池袋の旧文芸坐で初めて第1作『ゴジラ』(1954)を見たときは別の怪獣に見えたほどである。

シリーズ前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966)に続いて、監督は福田純、音楽は佐藤勝が担当。
また、第1作以来、東宝のゴジラ映画の代名詞だった円谷英二に代わり、初めて若手の有川貞昌が特技監督(当時は特撮とは言わなかった。特撮もいまや死語だが)に抜擢されている。

ラスト、ゴジラとミニラの親子が人工雪に覆われ、真っ白に染まってゆく場面は大変印象深く、初めて見たときからずっと記憶に残っていた。
いま、ノンフィクションで親子関係を描くときの原風景にもなった、と言ってもいいかもしれない。

なお、高島忠夫、前田美波里ら東宝の一般映画のスターが出演していること、地球の環境問題をテーマとしたストーリーの内容は、初めて観た時もWOWOWで視聴した時もすっかり忘れていた。
いま観ると、長年絶海の孤島に潜んでいたという設定の美波里さんがきれいなメイクにきれいな衣裳で出てくるあたり、苦笑を禁じ得ませんね。

旧サイト:2015年06月6日(土)Pick-up記事に加筆、修正

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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