『ハウス・オブ・グッチ』(WOWOW)🤗

House of Gucci
159分 2021年 アメリカ=ユナイテッド・アーティスツ・リリーシング、ユニバーサル・ピクチャーズ
日本公開:2022年 配給:東宝東和

昨年のいまごろ劇場公開されて大ヒットしたリドリー・スコット監督の実話ダネ作品。
世界的ファッションブランド・グッチの創始者グッチ一族が3代目で崩壊し、没落してゆく過程が豪華キャストとコメディータッチで描かれる。

時代は1970年代後半、実質的な主人公はもともと運送会社社長の娘で、3代目マウリツィオ(アダム・ドライヴァー)をつけまわして結婚にこぎつけるパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)。
2代目でマウリツィオの父ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)はパトリツィアの家柄が気に入らず、この結婚を認めなかったため、マウリツィオはグッチ家を出て、一時パトリツィアの父親の運送会社で働くことに。

しかし、最初からグッチ家の資産を狙っていたパトリツィアは、一族の家業に復帰するようマウリツィオを説得。
さらに、ロドルフォの兄でマウリツィオの伯父アルド(アル・パチーノ)も、自分の息子パオロ(ジャレッド・レト)が頼りにならないからと、マウリツィオの才覚を買って自分と組むよう持ちかける。

創始者グッチオ・グッチから受け継いだグッチの持株比率は、アルドが50%、ロドルフォが50%とちょうど半分ずつ。
アルドはアメリカにグッチ専門のホームセンターをオープンしようと計画するなど市場拡大に熱心だが、弟のロドルフォはグッチの商品はホームセンターなどではなく美術館に展示されるのが相応しい、と主張して譲らない。

ロドルフォは若いころ俳優として活動しており、その間、グッチの経営はアルドが一手に引き受けていた。
アルドにとっては、そんなロドルフォが50%の株を握って自分に楯突いているのが我慢ならず、それならばと甥のマウリツィオを抱き込もうと謀ったのだ。

やがてロドルフォが病没し、マウリツィオがグッチの株50%を相続。
すると、アルドから残り50%を奪い取り、グッチ家のビジネスから追放してしまおうと、パトリツィアがマウリツィオをそそのかし始める。

この映画はリドリー・スコット監督作品だけに昨年1月の劇場公開時、大いに興味をそそられたのだが、上映時間に恐れをなして足を運ぶところまでいかなかった。
が、こうしてWOWOWで放送されたものを自宅で観ると、2時間半超は本当にあっという間。

面白さの根幹を成しているのはもちろん、実在したグッチ家の人々(原作は2001年に発表されたサラ・ゲイ・フォーデンの同名ノンフィクション小説)だが、それ以上に彼らに扮した役者が実に巧みに、哀しみを湛え、孤独感を漂わせながら、大変魅力的に演じていることに感嘆した。
とりわけパトリツィア役のガガは女優として新境地を拓いたと言える熱演で、アルドのパチーノ、パオロのレトの大胆な役作りにも目を奪われる。

元ネタとなった1990年代のファッション業界最大級のスキャンダルは、知っている人はよく知っているんだろうけど、この業界に疎い僕は何の予備知識も持たずに観て一気に引き込まれた。
これから観る人も下手に検索せず、暇があったら即観ることをお勧めします。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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