『栄光のバックホーム』(Netflix)😉

135分 2025年 ギャガ

2013年ドラフト2位で鹿児島実業から阪神に入団し、21歳で脳腫瘍のために引退を余儀なくされ、28歳で急逝した横田慎太郎の人生を描いた作品。
僕自身が母親を亡くして1カ月半しか経っていない今、こういう映画の客観的なレビューを書くのは少々難しい。

横田は元ロッテ、中日、西武でプレーした横田真之の息子で、演じる松谷鷹也もまた巨人投手だった松谷竜二郎の息子。
ちなみに、僕は息子たちとは一面識もないが、お父さんたちのほうには駆け出しの野球記者だった頃に直接取材したことがある。

本作の松谷は実際の横田とは異なる風貌をしているものの、松谷も元高校球児だったからか、プロの若手にありがちな無骨で朴訥な雰囲気がなかなかいい。
とくに、脳腫瘍の病状が進んでいる最中、野球に対する執着を見せる演技が印象に残る。

また、阪神が全面協力しているだけあり、ホンモノのユニフォームと甲子園が使用されているシーンはリアリティーたっぷり。
本作がヒットしたのは、本作が横田自身、横田の母による原作の映画化で、ホンモノがスクリーンに溢れているからだろう。

ただし、野球映画として観ると、抜きがたい違和感を覚えた部分もある。
とくに、川藤が柄本明、掛布が古田新太、金本が岡田准一、平田が大森南朋というキャスティングには首を捻りたくなった野球ファンも多かったはず。

映画の後半は、横田を支える家族の愛情を前面に打ち出したファミリードラマになる。
今にも息を引き取りそうな横田を家族全員で励ますシーンは、僕が自分の母親にやっていたこととまったく同じで、さすがに涙を禁じ得なかった。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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