『地獄に堕ちるわよ』(Netflix)😉

2026年 1シーズン9エピソード 全498分 Netflix

4月27日に配信が始まるや、たちまち大ヒットして国内視聴ランキング1位に躍り出たNetflixの人気ドラマ。
テレビ界を追われて世を去った細木数子も、動画配信の世界ではまだまだ数字を取れるコンテンツらしい。

エピソード1のオープニング早々、「この物語は事実に基づいた虚構である」というテロップが出て、本作があくまでもフィクションであることが強調される。
細木サイドに許諾を得ずに制作しているため、裁判沙汰になることを避けたかったのだろうか、ハリウッドのノンフィクション系映画に比べると、やはり腰が引けているように感じられた。

細木を演じる戸田恵梨香は、オープニングのトーク番組でヒコロヒーをこき下ろす場面から雰囲気を出しており、なかなか健闘していると言っていい。
ただし、あちこちのレビューで指摘されている通り、本人より痩せているのが難点で、『極悪女王』(2024)でダンプ松本を演じたゆりやんレトリィバァのように増量して役作りに励んでほしかったところ。

それ以上に違和感を覚えたのは、細木が作家・魚澄美乃里(伊藤沙莉)のインタビューを受ける際、人間としての鷹揚さや女性的な弱さを覗かせ、細木には共感できる部分もあったかのように描いていること。
視聴者がある程度、感情移入できるようなキャラクターにしなければ9話まで引っ張れないと考えたのだろうか。

このため、細木が島倉千代子を食い物にしたり、安岡正篤(ドラマではここだけ変名の安永正隆)を籠絡して入籍したり、強欲な守銭奴ぶりをむき出しにした終盤は、逆に細木のホンネが見えなくなってしまう。
もっとも、参考文献としてクレジットされている『細木数子 魔女の履歴書』(2006、講談社)の著者・溝口敦氏がコメントしているように、一般ウケを狙ったエンターテインメントとしてはこれぐらいのソフトなタッチがちょうどいいのかもしれない。

面白いことは面白い。
実際のブラックな細木との違いを論じるより、ドラマはあくまでも楽しんで観たいという視聴者にはお勧めである。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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