『スーパーマン&ロイス』シーズン1(9)「忠実なサブジェクト」(NHK総合)😉

Superman&Lois: #9 Loyal Subjekts
43分 2021年 アメリカ=ワーナー・ブラザース・テレビジョン
NHK総合:初放送2022年5月29日23:00〜

このテレビドラマや映画版〈DCエクステンデッド・ユニバース〉、〈マーベル・シネマティック・ユニバース〉シリーズの諸作品における「マルチバース」という概念に対して、昭和生まれの僕はいまだに違和感を覚える。
スーパーマンはこっちの世界では善人だけど、あっちの世界では悪人だったんだよ、なんて言えるのなら、別の世界では変態だったんだよ、もっと別の世界では動物や昆虫だったんだよ、ということも可能になるではないか。

しかし、最近観たテレビニュースの特集企画によると、今時の世代には、ふだんからVRゴーグルをかけ、架空のキャラが視界に登場するネットの「メタバース」に親しんでいる視聴者も少なくないようだ。
だからこういうマルチバースを前提としたテレビドラマも受け入れられやすいはずだ、という前提の元にこのスーパマンのリブート版も製作されているのかもしれない。

今回はモーガン・エッジ(アダム・レイナー)によるスモールヴィル支配がいよいよ本格化し、クラーク・ケント(タイラー・ヘックリン)とロイス(エリザベス・トゥロック)の幼馴染や近隣住民が次々にエッジの奴隷(サブジェクト)と化していく。
が、このあたりは散々模倣されたゾンビ物的で、サブジェクトたちが判で押したようにヒートビジョンでクラークたちを殺そうとするのもワンパターン。

クライマックスでは、実はエッジもスーパーマンと同じクリプトン人だった、という正体を明かしたところでまた来週。
おお、こう来たか、と観た瞬間はニヤリとさせられたものの、よく考えたらクリストファー・リーヴ主演版『スーパーマンⅡ 冒険編』(1980年)にもゾッド将軍(テレンス・スタンプ)というクリプトン人の悪役が登場しており、あの強烈でセクシーでユーモアもあるキャラクターを超えるのはなかなか難しいだろうなあ。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

52『TOKYO VICE』#8剣ヶ峰(2022年/WOWOW、HBO Max)C
51『TOKYO VICE』#7不義不徳(2022年/WOWOW、HBO Max)B
50『ライトハウス』(2019年/米)C
49『TOKYO VICE』#6虚々実々(2022年/WOWOW、HBO Max)B
48『TOKYO VICE』#5因果応報(2022年/WOWOW、HBO Max)B
47『スーパーマン&ロイス』シーズン1(8)「無力な自分」(2021年/米)B
46『スーパーマン&ロイス』シーズン1(7)「鋼鉄の男」(2021年/米)B
45『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年/米)A
44『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(2018年/米)B
43『クワイエット・プレイス』(2018年/米)A
42『TOKYO VICE』#4虎穴虎子(2022年/WOWOW、HBO Max)B
41『TOKYO VICE』#3精神一到(2022年/WOWOW、HBO Max)C
40『ドニー・ダーコ』(2001年/米)B
39『スーパーマン&ロイス』シーズン1(6)「パワーの代償」(2021年/米)B
38『スーパーマン&ロイス』シーズン1(5)「スモールビルの良心」(2021年/米)B
37『TOKYO VICE』#2起死回生(2022年/WOWOW、HBO Max)B
36『TOKYO VICE』#1新聞記者(2022年/WOWOW、HBO Max)B
35『ふたりのウルトラマン』(2022年/NHK)A
34『スーパーマン&ロイス』シーズン1(4)「波乱の幕開け」(2021年/米)B
33『スーパーマン&ロイス』シーズン1(3)「人気者であることの特権」(2021年/米)B
32『カムバック・トゥ・ハリウッド‼︎』(2020年/米)B
31『すばらしき世界』(2021年/ワーナー・ブラザース)A
30『私は確信する』(2018年/仏、白)C
29『透明人間』(2020年/米)A
28『アナザーラウンド』(2020年/丁、蘭、瑞)A
27『スーパーマン&ロイス』シーズン1(2)「引き継いだもの」(2021年/米)A
26『スーパーマン&ロイス』シーズン1(1)「パワーの目覚め」(2021年/米)A
25『日本女侠伝 侠客芸者』(1969年/東映)A
24『昭和残俠伝 血染の唐獅子』(1967年/東映)B
23『大コメ騒動』(2021年/ラビットハウス)C
22『王の願い ハングルの始まり』(2019年/韓)A
21『フラッシュ・ゴードン』(1980年/米)B
20『タイムマシン』(2002年/米)C
19『アンダーウォーター』(2020年/米)C
18『グリーンランド−地球最後の2日間−』(2020年/米)B
17『潔白』(2020年/韓)B
16『ズーム/見えない参加者』(2020年/英)C
15『アオラレ』(2020年/米)B
14『21ブリッジ』(2019年/米)B
13『ムニュランガボ』(2007年/盧、米)C
12『ミナリ』(2020年/米)A
11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』(2021年/東宝映像事業部)C
10『死霊の罠』(1988年/ジョイパックフィルム)C
9『劇場版 奥様は、取扱注意』(2021年/東宝)C
8『VHSテープを巻き戻せ!』(2013年/米)A
7『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年/以)B
6『ある人質 生還までの398日』(2019年/丁、瑞、諾)A
5『1917 命をかけた伝令』(2020年/英、米)A
4『最後の決闘裁判』(2021年/英、米)B
3『そして誰もいなくなった』(2015年/英)A
2『食われる家族』(2020年/韓)C
1『藁にもすがる獣たち』(2020年/韓)B

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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