『ラプラスの魔女』(WOWOW)

(116分 東宝 2016年)

最近、ハリウッドではマーベル、DC、X-MENとエスパー&ミュータント物が大流行しているが、その向こうを張って(?)東宝が製作した邦画版超能力ミステリ。
原作が東野圭吾だから期待したのだが、残念ながら失敗作に終わっていると言わざるを得ません。

温泉地に宿泊していた映画のプロデューサーや無名の俳優が、硫化水素中毒によって相次いで死亡する。
これは殺人ではないかと直感した刑事・中岡祐二(玉木宏)、大学教授・青江修介(櫻井翔)が捜査に乗り出したところへ、彼らの目の前に「ラプラスの魔女」と名乗る少女・羽原円華(広瀬すず)が登場。

彼女は父・全太朗(リリー・フランキー)によって脳に特殊な手術を施された〝予知能力〟の持ち主で、常に全太朗のボディーガードと公安警察によって監視されていた。
さらに、一連の殺人事件には、かつて天才と呼ばれた映画監督・甘粕才生(豊川悦司)が関わっていたことがわかってくる。

しかし、前半はまったく出番のなかった甘粕が、終盤になっていきなり真犯人として浮上するのはいかにも唐突。
ヒロインの円華の過去や公安との関わりについても最後まで詳しい説明がなく、謎解きが消化不良なままに終わっている。

また、あくまで個人的感想だが、櫻井翔は大学教授に、広瀬すずは超能力の持ち主にまったく見えない。
同じ東野ミステリの映画化作品でも、福山雅治の湯川教授、阿部寛の加賀恭一郎とは雲泥の差である。

監督が三池崇史だからか、とりあえず退屈はせず、最後まで観てはいられるが。
オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

42『真夏の方程式』(2013年/東宝)A
41『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018年/米)B
40『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/米)B
39『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/米)C
38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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