
95分 2024年 ノルウェー、パレスチナ
日本公開:2025年 配給:トランスフォーマー
ヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人がイスラエル政府によってどれだけ迫害を受けているか、痛いほどよくわかるドキュメンタリー映画。
こういう作品が被害者側のパレスチナ人だけでなく、加害者側のユダヤ人ジャーナリストが協力して制作したことはまことに画期的であり、映画史的にも注目に値する。
中心となるのはパレスチナ人のバーセル・アドラーとユダヤ人のユヴァル・アブラハーム。
バーセルが家族と暮らすヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタ地区アッラキーズ村に、イスラエル軍とユダヤ人入植者がやってきて、イスラエル軍の演習場にするからと立ち退きを迫り、ブルドーザーで民家も学校も破壊していく。
スマホやデジカムで撮影しながら「ここは俺たちの土地だ!」と叫ぶバーセルやユヴァルに向かって、兵士や入植者は「ここは軍の土地だ!お前らが出て行け!」と機関銃を構えて威嚇。
揉み合いの最中にパレスチナ人の仲間ハールーン・アブー・アラムが兵士に撃たれ、四肢麻痺になってしまうが、もはや彼も家族も帰る家を破壊されており、日が差さず、衛生環境の悪い洞穴で寝たきりの生活を送るしかない。
ユヴァルがスマホで撮った動画をXに投稿しても、アクセス数もフォロワーもなかなか増えない。
一方で、そんなユヴァルの撮影する姿をスマホで撮影したユダヤ人入植者が、「Facebookで晒してやろうか」などと挑発するあたり、SNS時代ならではの弊害も描かれている。
本作は世界中で高く評価され、2024年、ベルリン国際映画祭でドキュメンタリー賞、アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
しかし、ユダヤ人入植者側は本作を悪質なプロパガンダと決めつけ、イスラエルの最高裁は土地の返還を求めるパレスチナ人の訴えを退けている。
オススメ度A。
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