『透明な螺旋』東野圭吾😁😭😢😳🤔🤓

文藝春秋 文春文庫 定価850円=税別
第1刷:2024年9月10日 第14刷:2026年9月5日
単行本発行:文藝春秋 2021年9月
特別収録短編『重命る(かさなる)』初出:オール讀物2023年12月号

湯川学が50代(半ばか後半?)に達し、准教授から教授に昇格した本作で、ガリレオシリーズは一つの区切りを迎えた。
大袈裟と思われるかもしれないが、終盤の湯川の独白は、読んでいて涙が滲んだ。

東野ミステリーはしばしば家族愛が大きなテーマとなっているが、本作は3代に渡る家族同士の愛憎と葛藤が描かれており、全編を貫く謎が一つ、また一つと、湯川の精緻な言葉によって解き明かされるたび、思わず心中で「なるほど!」と大きくうなずかないではいられない。
僕自身、3月末に亡くした母親のことをありありと思い出させられ、なぜもっと親と真摯に向き合って話をしておかなかったのかという悔恨も胸をよぎった。

ガリレオシリーズを本作まで通読(映画化作品を観た『真夏の方程式』、『沈黙のパレード』は未読)した上で、改めて最終作『永遠の記憶』を再読してみた。
そうすると、湯川をはじめ、内海薫、青柳俊平、岸谷の人物像がシリーズを通して年齢を重ね、人間としての幅と深みを加えていったことがよくわかる。

もちろん、再読した僕自身も、より深いところで感動と得心を覚えた。
それとともに、もうこの続きを読むことはできないのか、という哀しみも。

😁😭😢😳🤔🤓

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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