
第1刷:2015年6月10日 第26刷:2026年8月10日
単行本発行:文藝春秋 2012年10月
高校時代の物理学クラブの後輩が犯罪に関与していると知った湯川学が、珍しく自ら事件の渦中に飛び込んでいく。
警視庁捜査一課の草薙、内海らを向こうに回したクライマックスの緊迫感はガリレオシリーズでも屈指の名場面だろう。
湯川を精一杯カッコよく描かなければと考えてか、東野さんも事あるごとに、湯川の外見を長身、筋肉質で端整な顔立ちであることを強調している。
一方の草薙は出世するにつれて顔が丸みを帯びたり、ベルトの穴が外へずれたり、年齢相応に太っているという描写が目立つ。
シリーズを通して読み進めると、湯川をはじめ、草薙や内海も年齢相応に人間として成長し、自分たちの仕事に習熟している半面、それぞれの立場で苦悩や葛藤を抱えていることがわかってくる。
それは恐らく、東野圭吾さんが最初から、ガリレオシリーズを単なるエンタメ小説の連作ではなく、時とともに移ろい、変化する人間たちの群像劇にしよう、と考えていたからではないか。
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