
118分 2023年 アメリカ=オライオン・ピクチャーズ
日本劇場未公開 日本配信:2024年 Amazon Prime Video
第96回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞など5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞しながら、日本では劇場にかけられず、Amazon Prime Videoで独占配信されたコメディー映画。
観客動員が見込めない作品はこういう形で公開されるケースが増えているが、本作などは口コミで評判が広まり、そこそこヒットしたのではないか。
黒人の純文学作家セロニアス・“モンク”・エリソン(ジェフリー・ライト)が、自分の小説を白人の批評家に「黒人の小説らしくない」と貶されて立腹。
ペンネームを使って底辺の黒人を描いたいかにも「白人の喜びそうな」小説を書いたら、白人の代理人アーサー(ジョン・オーティス)と出版社に「ベストセラー間違いなし」と太鼓判を押され、たちまち出版されることになる。
調子に乗った代理人はモンクを「逃亡中の脱獄囚」に仕立て上げ、正体を隠してテレビインタビューを受けさせると、これがまた大評判。
ついには、モンクが審査員を務める最優秀文学賞にノミネートされてしまう。
本が売れないモンクは、副業の大学講師の授業で「白人が嫌う」差別表現を多用し、「白人の学生」に講義されて休職処分を受けていた。
収入が途絶えた最中、母アグネス(レスリー・アガムズ)の認知症が悪化し、面倒を見ていた姉リサ(トレーシー・エリス・ロス)も突然死。
母親を施設に入れると月5800~6900ドルもの費用がかかり、疎遠になっていた歯科医兄クリフ(スターリング・K・ブラウン)は離婚して物入りのためにカネを出せない。
モンクが自棄になって、最も自分が忌み嫌う「白人が喜びそうな」小説を書いたのは、背に腹は代えられない家庭の事情があったからだった。
本作はここまでの過程で、現代アメリカ社会における人種差別や家族関係など、様々な問題をユーモアにくるんで提示してくる。
笑わせながらもあえこれ考えさせられた後、モンクの小説がベストセラーとなるクライマックスでは、いったいどういうオチがつくのかとハラハラドキドキ。
こういう知的な面白さを味わったのは久しぶりでした。
俺もひとつ、ペンネームを使って開き直った作品を書いてみようかな。
オススメ度A。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑