『エスター』(WOWOW)😉

Orphan
123分 2009年 アメリカ=ワーナー・ブラザース

3番目の娘を死産で亡くした中年夫婦が孤児院を訪ね、エスターという少女を養子に迎えたら、家族に次々に災厄が降りかかり、ひどい目に遭うというホラー映画。
当時、12歳で9歳のエスターを演じたイザベル・ファーマンはこれが当たり役となり、25歳となった13年後に続編『エスター ファースト・キル』(2022年)で同じ役を演じている。

という展開は、本作を観たときはまったく想像もしなかったが、とても面白い作品だったことはよく覚えている。
前半、やや説明不足なところがあり、サスペンスの盛り上げ方も少々かったるいけれど、どんでん返しが起こってからは俄然面白くなり、クライマックスの畳み掛けには思わずに手に汗握った。

役者ではエスター役のファーマンの好演(というより巧演か)に加えて、元アルコール依存症の母親ケイト・コールマンに扮したヴェラ・ファーミガの怖がり方がうまい。
優しくても頼りない旦那ジョンのピーター・サースガードも相変わらずいい味を出してます。

しかし、全体的に効果抜群だったのは、聴覚障害を持つエスターの義妹マックスのアリアーナ・エンジニアのキャスティングだろう。
幼い割りに演技が巧みだなと思ったら、実際に耳が不自由なのだそうで、こういう子に大女優になってほしい。

監督のジョン・オットマンはブライアン・シンガーの右腕として知られる才人で、この人が音楽や編集を担当している映画は結構観ました。
製作にはなんとディカプリオが名を連ねており、スタッフの顔ぶれもなかなか豪華な拾い物でした。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

旧サイト:2011年11月2日(水)Pick-up記事を再録、修正

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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