『キャメラを止めるな!』(WOWOW)😉

Coupez!/Final Cut
112分 2022年 フランス=パン・ディストリビューション
日本配給:ギャガ

2017年に大ヒットした日本映画『カメラを止めるな!』をフランスでリメイクした作品。
オリジナル版は監督の上田慎一郎をはじめ、俳優も無名の映画人ばかりだったが、こちらは『アーティスト』(2011年)でアカデミー監督賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウスがメガホンを取り、役者も主人公の映画監督役のロマン・デュリス、その妻役のベレニス・べジョ(アザナヴィシウス夫人)と、豪華キャストをそろえている。

完成度自体は日本のオリジナル版『カメ止め!』に勝るとも劣らず、序盤の〝30分ワンカットゾンビ映画〟で打たれた布石が終盤に次から次へと回収され、感動的なエンディングに雪崩れ込むくだりは観ていて気持ちがいい。
単純なリメイクではなく、『カメ止め!』のプロデューサー役だった竹原芳子が同様の役で登場し、人種差別に関する議論が起こったり、フランス人俳優の役名をオリジナル版と同じ日本名にしろと迫ったりするあたりも味付けとして効いている。

しかし、『カメ止め!』を細かく記憶している日本人にとっては、面白さはいまひとつだろうなぁ、やっぱり。
劇場公開時の6年前に『カメ止め!』を観た僕の場合は、忘れている部分も結構多かったので、それなりに楽しめましたが。

ところで、『カメ止め!』が製作費300万円の低予算映画だったのに、重量級のスタッフとキャストをそろえた本作の製作費は5億6000万円。
これだけそっくりに作っておいて、どこにそんなにお金がかかったんですかねぇ。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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