〝コロナ規制緩和〟でプロ野球の取材環境はどうなる?😷🦠⚾️

試合前、〝タオル回し〟の解禁をアピールするチーム・ヴィーナス

NPBがコロナ禍による球場の入場者数制限を撤廃した今季、〝タオル回し〟の応援も解禁となった。
Jリーグでは期間、場所、人数を規制し、マスク着用を前提とした上で、段階的に声出しの応援を許可することを検討しているという。

20日には、会話をしない場合、十分な換気の行われている場所であることなどを条件に、政府も「マスクは不要」であるとの見解を発表。
日本もアメリカ並みにコロナ前の日常を取り戻す動きが進んでいる。

さて、そこで、僕たちプロ野球の報道に携わる人々の間で話題になっているのが、プロ野球の取材環境はいつコロナ前に戻されるのか。
手っ取り早く言えば、いつグラウンドで監督を囲み、選手やコーチに直接話を聞けるようになるのか、ということだ。

きのうから始まった交流戦では、ふだんの公式戦では見られないような光景がしばしば見られる。
例えば、東京ドームではきょう、試合前の練習中に、三塁側ベンチ前でオリックス・山岡と巨人・岡本和が何やら親しげに話し込んでいた。

山岡はきのう、岡本和にバックスクリーン直撃の豪快な2ランホームランを打たれたばかり。
本当なら、きのう阪神・大山に決勝本塁打を打たれた楽天・田中マー君のように無茶苦茶悔しがり、顔も見たくないはずなのに、いったいどういうことか。

こういうとき、コロナ前のようにグラウンドにいられたら、どちらか、あるいは両方の選手にぶら下がり、「何話してたの?」と質問する記者やアナウンサーはひとりやふたりではなかっただろう。
これに限らず、選手に一言か二言でも話が聞けたら、たとえはぐらかされたり答えられなかったりしても、表情だけでも観察できたら、と思うことは多い。

ちなみに、海の向こうのメジャーリーグではすでに、ノーマスクでの対面取材、囲み取材が復活。
時間制限付きとはいえ、コロナ前のようにクラブハウスでの取材も解禁されているそうだ。

日本でも早く、せめてグラウンドへの出入だけでもできるようにならないか。
と思っていたら、Jリーグではきょう、サンフレッチェ広島で複数の感染者が出たため、ガンバ大阪戦が急遽中止に。

巨人とオリックスのファンもいまだに警戒感を拭えないのか、この日の東京ドームの観衆は2万7789人と3万人を割った。
コロナ前は常時4万人以上、多い時は4万4000人台に達していたから、その半分とちょっと、という現実を突きつけられると、道なお険し、という気もしますね。

空席が目立った東京ドームのスタンド

なお、試合はオリックスに2点を先制された初回、巨人が岡本和の2試合連続本塁打となる3ランですぐさま逆転。
その後、五回に3-3の同点に追いつかれたものの、八回にまた岡本和が2点タイムリーで勝ち越しと、主砲がひとりで5打点の大暴れを見せ、巨人が交流戦開幕カード2連勝で勝ち越しを決めました。

岡本和のヒーローインタビュー

ヒーローインタビューのお立ち台に立った岡本和は、初回の逆転3ランについて、「チャンスで回してくれたんで、何とかしようと思って、前に飛んでくれて、それがホームランになってよかったです」。
試合を決めたタイムリーについても、「つないでくれたチャンスなんで、打たなきゃいけないと思って打ちました」と、いつものように淡々とコメント。

そんなコメントを聞きながら、改めて岡本和に聞きたくなりましたね。
で、試合前には山岡と何を話してたの? と。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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