『大統領のカメラマン』(WOWOW)🤨

The Way I See It
101分 2020年 アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ

共和党のロナルド・レーガン、民主党のバラク・オバマ両大統領の元で専属カメラマンを務めたピート・スーザの半生と活動を描いたドキュメンタリー作品。
ただし、レーガン時代は100分の上映時間のうち序盤の20分程度で、上映時間の大半がオバマ時代に占められていることからもわかるように、本作は純粋な記録映画というより、明らかなプロパガンダ映画である。

民主党のジョー・バイデン現大統領がドナルド・トランプ前大統領に勝利した選挙は2020年11月3日に実施された。
本作がアメリカで公開されたのは、その選挙戦たけなわで、両候補が激しい舌戦、論戦、パフォーマンス合戦やネガティヴキャンペーン合戦を繰り広げていた真っ最中の9月20日。

本作の後半、オバマの退陣とともに専属カメラマンを辞していたスーザは、インスタグラムに自分のアカウントを開設し、そこにホワイトハウス在職中に撮影したオバマの映像を次々にアップしていく。
小学校で発生した銃撃事件、シリア内戦の激化、感染症エボラ出血熱の大流行に際して、オバマはどのような対策を立て、どのような言葉で国民に優しく、力強く語りかけたか、スーザは自分が撮影した写真を使ってアメリカ国民の記憶を喚起。

また、日本ではあまり紹介されていなかった妻や3人の子供たちとのファミリーショットも多数アップし、オバマがいかに家族を愛しており、家族との絆を大切にしている人物だったかも強調している。
しかし、そういう写真をいちいち、トランプ大統領のツイートと対比させ、トランプと違ってオバマはウソをつかない、人の悪口を言わない、みだりに他国を批判しない、などと書き添えていることには、それがいかに一面的には正しかろうと、大いに違和感を覚えた。

さらに、スーザはトランプについて、「トランプは危険だ」「大統領職を軽視している」「若い人たちにトランプ政権が普通の状態だと思ってほしくない」と直接批判。
そういうスーザがインスタにアップしたオバマの写真には、当然のことながら副大統領だったバイデンの姿が写り込んだ映像が非常に多い。

こういう作品を大統領選の真っ最中に公開し、ビデオソフトをリリースした製作陣の意図は改めて言及するまでもないだろう。
トランプを嫌悪し、批判し続けてきた民主党系のメディアや批評家に大変好評だったのは当然、という以前に彼らの目論見通りであって、一日本人として虚心坦懐に観る限り、これは大変よくできたプロパガンダ映画という以上の評価は与えにくい。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

137『RBG 最強の85才』(2018年/米)A
136『天外者(てんがらもん)』(2020年/ギグリーボックス)B
135『ミセス・ノイズィ』(2020年/アークエンタテインメント)B
134『スパイの妻〈劇場版〉』(2020年/ビターズエンド)A
133『始皇帝暗殺』(1998年/中、仏、米、日)C
132『不毛地帯』(1976年/東宝)B
131『夜のピクニック』(2006年/ムービーアイ、松竹)C
130『空に住む』(2020年/アスミック・エース)C
129『浅田家!』(2020年/東宝)A
128『ザ・キング』(2017年/韓)A
127『光州5・18』(2007年/韓)C
126『シルミド SILMIDO』(2003年/韓)B
125『KCIA 南山の部長たち』(2020年/韓)B
124『3時10分、決断のとき』(2007年/米)B
123『アルビノ・アリゲーター』(1997年/米)C
122『悪い種子』(1956年/米)C
121『スターリンの葬送狂騒曲』(2017年/英、仏)C
120『ノマドランド』(2021年/米)A
119『復讐無頼 狼たちの荒野』(1968年/伊、西)B※
118『スペシャリスト』(1969年/伊、仏)C
117『父 パードレ・パドローネ』(1977年/伊)B※
116『ボルベール〈帰郷〉』(2006年/西)A
115『雨の訪問者』(1970年/伊、仏)A※
114『カサンドラ・クロス』(1976年/西独、伊、英)B※
113『イエスタデイ』(2019年/英、米)B
112『ペイン・アンド・グローリー』(2019年/西)A
111『バンクシーを盗んだ男』(2017年/英、伊)B
110『ザ・ヤクザ』(1974年/米)A
109『健さん』(2016年/レスぺ)B
108『ゴルゴ13』(1973年/東映)D
107『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2015年/伊)B※
106『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』(2020年/米)A
105『真犯人』(2019年/韓)B
104『ダイヤルM』(1998年/米)B※
103『ダイヤルMを廻せ!』(1954年/米)A
102『私は告白する』(1953年/米)A
101『黄泉がえり』(2003年/東宝)B
100『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994年/米)B
99『ワンダーウーマン 1984』(2020年/米)B
98『博士と狂人』(2019年/英、愛、仏、氷)C
97『追悼のメロディ』(1976年/仏)A※
96『デ・パルマ』(2015年/米)B
95『ブルース・スプリングスティーン 闇に吠える街 30周年記念ライブ2009』(2009年/米)B
94『ブルース・スプリングスティーン ライブ・イン・バルセロナ』(2003年/米)A
93『ブルース・スプリングスティーン ライブ・イン・ニューオリンズ2006~ニューオリンズ・ジャズ・フェスティバル』(2006年/米)B
92『ウエスタン・スターズ』(2019年/米)B
91『水上のフライト』(2020年/KADOKAWA)C
90『太陽は動かない』(2021年/ワーナー・ブラザース)C
89『ファナティック ハリウッドの狂愛者』(2019年/米)C
88『ミッドウェイ』(2019年/米、中、香、加)B
87『意志の勝利』(1934年/独)A
86『美の祭典』(1938年/独)B
85『民族の祭典』(1938年/独)A
84『お名前はアドルフ?』(2018年/独)B
83『黒い司法 0%からの奇跡』(2019年/米)A
82『野球少女』(2019年/韓)B
81『タイ・カップ』(1994年/米)A※
80『ゲット・アウト』(2017年/米)B※
79『アス』(2019年/米)C
78『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』(2018年/米)C
77『キング・オブ・ポルノ』(2000年/米)B※
76『怒りの葡萄』(1940年/米)A
75『パブリック 図書館の奇跡』(2018年/米)A
74『バクラウ 地図から消された村』(2019年/伯、仏)B
73『そして父になる』(2013年/ギャガ)A※
72『誰も知らない』(2004年/シネカノン)A※
71『歩いても 歩いても』(2008年/シネカノン)
70『東京オリンピック』(1965年/東宝)B※
69『弱虫ペダル』(2020年/松竹)B
68『ピンポン』(2002年/アスミック・エース)B
67『犬神家の一族』(2006年/東宝)B
66『華麗なる一族』(2021年/WOWOW)B
65『メメント』(2000年/米)B
64『プレステージ』(2006年/米)B
63『シン・ゴジラ』(2016年/米)A※
62『GODZILLA ゴジラ』(2014年/米)B※

61『見知らぬ乗客』(1951年/米)B
60『断崖』(1941年/米)B
59『間違えられた男』(1956年/米)B
58『下女』(1960年/韓)C
57『事故物件 恐い間取り』(2020年/松竹)C
56『マーウェン』(2019年/米)C
55『かもめ』(2018年/米)B
54『トッツィー』(1982年/米)A※
53『ジュディ 虹の彼方に』(2019年/米)B
52『ザ・ウォーク』(2015年/米)A※
51『マン・オン・ワイヤー』(2008年/米)B※
50『フリーソロ』(2018年/米)A
49『名も無き世界のエンドロール』(2021年/エイベックス・ピクチャーズ)B
48『ばるぼら』(2020年/日、独、英)C
47『武士道無残』(1960年/松竹)※
46『白い巨塔』(1966年/大映)A
45『バンクーバーの朝日』(2014年/東宝)A※
44『ホームランが聞こえた夏』(2011年/韓)B※
43『だれもが愛しいチャンピオン』(2019年/西)B
42『ライド・ライク・ア・ガール』(2019年/豪)B
41『シービスケット』(2003年/米)A※
40『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年/米)A※
39『さらば冬のかもめ』(1973年/米)A※
38『30年後の同窓会』(2017年/米)A
37『ランボー ラスト・ブラッド』(2019年/米)C
36『ランボー 最後の戦場』(2008年/米)B
35『バケモノの子』(2015年/東宝)B
34『記憶屋 あなたを忘れない』(2020年/松竹)C
33『水曜日が消えた』(2020年/日活)C
32『永遠の門 ゴッホが見た未来』(2018年/米、英、仏)B
31『ブラック・クランズマン』(2018年/米)A
30『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(2019年/米)A
29『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969年/東映)C
28『残酷・異常・虐待物語 元禄女系図』(1969年/東映)B
27『徳川女系図』(1968年/東映)C
26『狂った野獣』(1976年/東映)A
25『一度死んでみた』(2020年/松竹)B
24『ひとよ』(2019年/日活)C
23『パーフェクト・ワールド』(1993年/米)B
22『泣かないで』(1981年/米)C
21『追憶』(1973年/米)B
20『エベレスト 3D』(2015年/米、英、氷)B※
19『運命を分けたザイル』(2003年/英)A※
18『残された者 北の極地』(2018年/氷)C
17『トンネル 9000メートルの闘い』(2019年/諾)C
16『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年/米)A※
15『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/仏、比)A
14『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6』(2018年/米)C
13『大時計』(1948年/米)B
12『汚名』(1946年/米)B
11『マザーレス・ブルックリン』(2019年/米)B
10『エジソンズ・ゲーム』(2017年/米)C
9『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年/米)C
8『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年/米)B
7『ジョン・ウィック』(2014年/米)C
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B※
4『宇宙戦争』(1953年/米)B※
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る