『ばるぼら』(WOWOW)🤨

Barbara 
100分 2020年 日本、ドイツ、イギリス 日本配給:イオンエンターテインメント R15+

手塚治虫生誕90周年を記念し、手塚の原作漫画を息子の手塚眞が実写映画化した作品。
主人公ばるぼらに二階堂ふみ、恋人役に稲垣吾郎がキャスティングされ、2018年11月に帝国ホテルで行われた生誕90周年記念パーティーで大々的に製作が発表されたあたり、手塚ファミリーとスタッフの力の入れようが伺える。

新宿の片隅で酔い潰れていたばるぼらは、通りがかった売れっ子作家の美倉洋介(稲垣)に拾われ、彼のマンションに出入りするうち、ともに深く愛し合うようになる。
ポツリ、ポツリとヴェルレーヌの詩を誦じるばるぼらに、洋介がその先を引き取って詩を口ずさむ出会いの場面が印象的だ。

美倉はばるぼらと付き合うようになってから、人が変わったように自堕落になり、仕事も婚約者の里見志賀子(美波)もほったらかし、かつてはきれいに整頓されていたマンションも荒れ放題。
そんな美倉を正常な状態に引き戻そうと、志賀子や担当編集者の甲斐加奈子(石橋静河)は躍起になるが、ばるぼらは彼女らに黒魔術の呪いをかけて逆襲する。

原作とのギャップが目につき始めるのはこのあたりからで、人形に針を突き刺して狙った人間殺したり、大ケガを負わせたりするばるぼらの手口は、漫画が発表された昭和48(1973)年の昔ならともかく、令和3(2021)年の現代ではいかにも古臭い、というよりいささかアナクロなようにも感じられる。
美倉との結婚に反対するばるぼらの母ムネーモシュネー(渡辺えり)のキャラクターにしても、僕としては怖さや不気味さ以上に、違和感や滑っている印象を受けた(そういう効果もある程度は織り込み済みなのかもしれないが)。

偉大な漫画家にして父・手塚治虫に対する息子・手塚眞ならではのリスペクトは十分に感じられ、大変野心的な力作であることは確か。
二階堂はフルヌードまで披露した熱演で、彼女のファンなら絶対に見逃せない作品だろう。

ただし、僕も読んだ原作漫画を完璧に映像世界に移し替えることに成功した、とまでは言えないと思う。
劇場公開時はヒットしたということなので、手塚眞にはまた新たな手塚作品の映画化に挑戦してもらいたい。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

47『武士道無残』(1960年/松竹)※
46『白い巨塔』(1966年/大映)A
45『バンクーバーの朝日』(2014年/東宝)A※
44『ホームランが聞こえた夏』(2011年/韓)B※
43『だれもが愛しいチャンピオン』(2019年/西)B
42『ライド・ライク・ア・ガール』(2019年/豪)B
41『シービスケット』(2003年/米)A※
40『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年/米)A※
39『さらば冬のかもめ』(1973年/米)A※
38『30年後の同窓会』(2017年/米)A
37『ランボー ラスト・ブラッド』(2019年/米)C
36『ランボー 最後の戦場』(2008年/米)B
35『バケモノの子』(2015年/東宝)B
34『記憶屋 あなたを忘れない』(2020年/松竹)C
33『水曜日が消えた』(2020年/日活)C
32『永遠の門 ゴッホが見た未来』(2018年/米、英、仏)B
31『ブラック・クランズマン』(2018年/米)A
30『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(2019年/米)A
29『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969年/東映)C
28『残酷・異常・虐待物語 元禄女系図』(1969年/東映)B
27『徳川女系図』(1968年/東映)C
26『狂った野獣』(1976年/東映)A
25『一度死んでみた』(2020年/松竹)B
24『ひとよ』(2019年/日活)C
23『パーフェクト・ワールド』(1993年/米)B
22『泣かないで』(1981年/米)C
21『追憶』(1973年/米)B
20『エベレスト 3D』(2015年/米、英、氷)B※
19『運命を分けたザイル』(2003年/英)A※
18『残された者 北の極地』(2018年/氷)C
17『トンネル 9000メートルの闘い』(2019年/諾)C
16『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年/米)A※
15『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/仏、比)A
14『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6』(2018年/米)C
13『大時計』(1948年/米)B
12『汚名』(1946年/米)B
11『マザーレス・ブルックリン』(2019年/米)B
10『エジソンズ・ゲーム』(2017年/米)C
9『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年/米)C
8『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年/米)B
7『ジョン・ウィック』(2014年/米)C
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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