熱中症☀️🥵とコロナ鬱🦠😔

今朝の散歩中、赤城神社の裏から池袋方面を臨む

最近、改めて熱中症は恐ろしい、と痛感させられる話を聞いた。

あるアマチュアの自転車ロード選手がこの夏、信州で練習中に経験した出来事である。
まだ50㎞ぐらいしか流していないのに、突然頭がクラクラし始め、意識を失い、気がついたら病院のベッドに寝かされていた、というのだ。

目撃者によると、彼はブレーキをかけてロードバイクを停め、自転車を降りた直後に昏倒。
目撃者はすぐに救急車を呼び、病院に運んでもらったのだが、当のロード選手はそういう経緯をまったく記憶していない。

ロード選手は気がついてからも退院するどころではなく、ひどい頭痛がして、メチャクチャ気分が悪く、食事もできない状態が1週間以上も続いた。
これが熱中症の怖いところで、もし目撃者がおらず、もっと長い時間路上に放置されたままだったら、下手をすれば何らかの障害が残るか、もっとひどい場合は死んでしまうかもしれなかったという。

このロード選手は将来を嘱望される〝バカ足〟(非常に優れた脚力のこと)の持ち主。
猛暑の中での練習も散々経験し、暑さに対する耐性なら十分できていたはずなのに、熱中症で入院生活を余儀なくされた上、医者に最悪の事態もあり得るところだった、と告げられたのである。

それとこれとは直接関係ないのだが、最近、自殺者が増えていることが大きな話題となった。

10日、各メディアが一斉に報じた警察庁の発表によると、8月に全国で自殺した人は合わせて1849人で、去年の同じ時期より240人以上、率にして15.3%増加。
このうち、男性は60人増えて1199人、女性は186人増えて650人となっている。

興味深いのは都道府県別のデータで、多い順から以下の通り。

東京都  210人(65人増)
愛知県  119人(46人増)
神奈川県 109人(27人増)
千葉県  107人(47人増)
埼玉県  105人(41人増)

厚生労働省の自殺対策推進室では、「自殺者の数が増加傾向に転じたかどうかは現時点で断定できないものの重く受け止めている」とコメント。
自殺者の増加した都県が新型コロナウイルスの感染者数が多い地域と重なっていることから、何らかの影響や因果関係があるのか、詳しく分析を進めるという。

5月まではむしろ、感染拡大による自粛生活の徹底が自殺者の減少につながっていると見られていた。
実際、4月の自殺者は1455人と前年同期比で19.8%減少し、過去5年間では最も大きな減少幅だったのだ。

しかし、われわれの社会はその後、長引くコロナ禍のおかげで解雇や倒産が相次ぎ、国民の生活は悪化する一方。
コロナウイルスだけでなく、「コロナ鬱」によって死に至る人が増えているのかもしれない。

正直なところ、毎日、プロ野球の話題ばかり追いかけていると、そういう現実に対する感覚が鈍くなってくる。
非日常の世界に浸り、目の前で元気にプレーしている選手の姿に感化されているせいか、心のどこかに「コロナなんか気にしなくても大丈夫だろう」というスキが生まれていたような気がする。

熱中症がそうであるように、コロナ鬱も侮ってはならない。
こういうとき、心が折れそうになったら、自ら積極的に友人に話しかけ、一緒に飲んで盛り上がろう…と考えちゃうのが、俺のダメなところなんだけど。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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