『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』(レンタル落ちDVD)😉

Up for Grabs 88分 2004年 アメリカ 日本配給:ファントム・フィルム

2001年10月7日、SFジャイアンツのバリー・ボンズが本拠地パシフィックベル・パークでシーズン本塁打の新記録となる73号ホームランを放った。
スタンドに飛び込んだこの打球を「捕ったのはボクだ!」「いやオレだ!」と、2年間に渡って所有権を主張し合い、ついには裁判沙汰にまで発展した騒動を描いたドキュメンタリー。

外野席でスタンバイしていたテレビ局が捉えた映像では、73号のボールは最初、アレックス・ポポフが確かにキャッチしている。
が、その直後にポポフが倒れ込んだところへ周囲の観客が折り重なり、ボールはいったん画面から見えなくなった。

ラグビーで言う「密集」状態が解かれたあと、ニッコリ笑い、テレビカメラに向かって、右手に握った73号ボールを示して見せたのはパトリック・ハヤシ。
そこへMLBの関係者がやってきて、ハヤシを球場内部のオフィスに連れて行き、ボールにナ・リーグの公式球の刻印があることから、正真正銘の73号の打球だと認定した。

その最中、ポポフはオフィスの前まで足を運び、メディアに向かって「最初に捕ったのはオレだ!」と声高に主張。
しかし、ハヤシも「捕ったのはボクだよ」と譲らず、この揉め事をメディアが面白おかしく報じている中、ポポフはついに訴訟に踏み切る。

ボンズが「2人で半分こしろよ」と苦笑しながらコメントしているように、内実は大変他愛ない話で、日本の新聞や雑誌ならゴシップ欄1回分のネタにしかならないだろう。
それでもポポフとハヤシがボールの所有権をめぐって血眼になり、メディアも鵜の目鷹の目で成り行きを追いかけたのは、このボールが金になるからこそだ。

1998年にマーク・マグワイアが放ったメジャー史上初の70号本塁打のボールには、実に270万ドル(約3億円)で落札された。
となれば、ボンズの73号には少なくとも100〜120万ドル(約1億1000万〜1億3000万円)の値がつくはずだ、とポポフは睨んでいた。

最初のうちは笑いながら観ていられるが、当事者(とくにハヤシよりポポフ)の金銭欲が前面に出てくると、だんだんうんざりさせられる。
最終的には裁判所が所有権をどちらかに決め、このボールも競売にかけられるのだが、果たしていくらになるのか。

エンディングでは、さもありなん、というオチがついていて、映画やドラマではこうはいかないだろうなあ、と妙な感心をしてしまった。
スポーツにまつわるゴシップやスキャンダルが好きなファンにとっては一見の価値ある一篇と言っていい、かな?

オススメ度B。

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A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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