晴れた日は外で野球を見たい

ヤクルトの試合前練習

これだけ気持ちよく晴れた日は、やっぱり屋外の球場で野球を見たい。
と思い、きょうの練習試合取材は東京ドームではなく、ヤクルト−阪神戦の行われている神宮球場へ行ってきました。

もちろん、ここでも入場前の検温チェックはしっかりやっている。
報道陣の受付がいつもの8番入口から7番の正面玄関に変更され、マスクに手袋をはめた球場職員がタッチ式のサーモグラフィーでぼくの体温を計測。

ところが、2つ用意されていたこの検温機がいずれも反応せず、どうしようかと思っていたら、ごく普通の体温計を取り出され、「これを脇に挟んでいただけますか?」。
やっと36.5度の平熱という結果が出ると、検温済であることを示す緑色のポストイットをNPBの取材パスにつけておくように言われる。

記者席を覗いたら、東スポの席はヤクルト担当1人、阪神担当2人で満席。
しかし、こういう日は記者席ではなく、無観客試合になったおかげで広々としたスタンドでゲームを見たい。

そこでヤクルトの球団関係者に許可を求めたら、「それはちょっと…」という返事が返ってきました。
この日はCS放送フジテレビONEの中継があり、試合中にはチームマスコットのつば九郎が無人のスタンドを歩き回る画も放送される。

そこに、一般の観客と間違えられそうな格好をしたライターなどが映り込んだらまずい、ということなのですね。
なるほど、そう言われたら諦めざるを得ません。

あ〜あ、残念だなあ、と知り合いのメディア関係者に愚痴ったら、ほかの球場(具体名は伏せます)でこんなトラブルがあったと聞かされた。
某社のカメラマンが無人のスタンドを撮っていた最中、肩からカメラを降ろして座席に腰掛け、しばし一休みしていたところ、球場職員が飛んできてすぐ退去するように言われたという。

何事かと思ったら、このカメラマンの姿がテレビ中継に映り込み、それを見ていたファンから球場や球団事務所に「入ってる客もいるじゃないか」というクレームの電話があったのだそうです。
無観客試合というのも、いつもとは違う様々なケースに留意して行われているのだと、改めてよくわかりました。

しかし、屋外球場での野球観戦はやっぱりいいもんだね。
神宮では公式戦で使われている演出用の映像が電光掲示板に映し出され、そのたびに「ストライクアウト〜!」「ナイスプレー!」「チャ〜ンス!」とスタジアムMCパトリック・ユウさんの声が響き渡る(あ、録音です)。

どこの球場でもこれぐらいはやってほしい。
やってない球場に比べると、そんな本番さながらの演出があるだけでも結構気分が違います、57歳のジジイライターにとっては。

この日の練習試合の公式記録
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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