『エクス・マキナ』(WOWOW)

Ex Machina

 AIをテーマにしたSFスリラーで、第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した作品。
 検索エンジン最大手のIT企業に勤務する主人公ケイレブ・スミス(ドーナル・グリーソン)が、山奥に建てられた社長ネイサン・ベイトマン(オスカー・アイザック)の邸宅で美人アンドロイドの相手をさせられているうち、社長と企業の恐るべき秘密を知ってしまう。

 欧米ではアンドロイのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)の造形、社長邸内部のセットが高く評価されたようだが、ぼくとしてはどこかで見たような既視感が拭えなかった。
 我こそは世界一の天才と自負するベイトマンが、世界一のAIを持つ自分専用のダッチワイフを何台も作り、その出来具合を社員のスミスを使ってテストしようとする、というストーリーも目新しさに乏しい。

 本作を見ながら思い出したのは、ウルトラセブンの1エピソード『第四惑星の悪夢』(第43話/1968年)。
 設定は幼少期に白黒テレビで見たあちらのほうがはるかに衝撃的でした。

 ただし、最近のSFサスペンスとしては及第点に達しているのも確か。
 オススメ度B。

(2015年 アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ/日本公開2016年 108分)

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2018リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

39『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年/西)B
38『ムーンライト』(2016年/米)B
37『アメリカン・バーニング』(2017年/米)B
36『セル』(2017年/米)C
35『トンネル 闇に鎖された男』(2017年/韓)B
34『弁護人』(2013年/韓国)A
33『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年/クロックワークス)A
32『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017年/東宝)B
31『南極料理人』(2009年/東京テアトル)B
30『沈黙 -サイレンス-』(2016年/米)B
29『メッセージ』(2016年/米)B
28『LOGAN/ローガン』(2017年/米)C
27『チャック~“ロッキー”になった男~』(2017年/アメリカ)B
26『ヒッチコック/トリュフォー』(2015年/米、仏)B
25『沖縄やくざ戦争』(1976年/東映)B
24『恐喝こそわが人生』(1968年/松竹)B
23『われに撃つ用意あり』(1990年/松竹)C
22『T2 トレインスポッティング』(2017年/英)A
21『ロスト・エモーション』(2016年/米)C
20『激流』(1994年/米)C
19『チザム』(1970年/米)B
18『駅馬車』(1939年/米)A
17『明日に処刑を…』(1972年/米)A
16『グラン・ブルー[オリジナル・バージョン]』(1988年/仏、伊)B
15『エルストリー1976- 新たなる希望が生まれた街 -』(2015年/英)D
14『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』(2015年/西)B
13『サム・ペキンパー 情熱と美学』(2005年/独)B
12『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯』(1973年/米)B
11『わらの犬』(1971年/米)A
10『O嬢の物語』(1975年/仏、加、独)C
9『ネオン・デーモン』(2016年/仏、丁、米)D
8『団地』(2016年/キノフィルムズ)B
7『スティーブ・ジョブズ』(2015年/米)B
6『スノーデン』(2016年/米)A
5『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年/米)B
4『ドクター・ストレンジ』(2016年/米)B
3『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(1967年/台、香)B
2『新宿インシデント』(2009年/香、日)B
1『日の名残り』(1993年/英、米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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