『オデュッセイア』(IMAX with Laser)🤗😱

The Odyssey
172分 2026年 アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ
日本配給:ビターズ・エンド
@TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 2026年10月1日PM01:20~

久しぶりに映画を観に行こうと決めていたきのう1日、最初は『踊る大捜査線N.E.W』にするつもりだったのだが、『オデュッセイア』が絶賛されているので、当日まで散々迷ったあげく、こっちにした。
IMAXの最先端技術を極めたクリストファー・ノーランの作品は、IMAXの劇場で観なければ意味がなく、後でWOWOWで視聴しても、こんなに面白いのなら映画館に行っておくんだった、後悔するのが常だからである。

それがわかっているのならなぜ当日まで決めかねていたのかというと、最近超大作化しているノーラン映画はとにかく上映時間が長く、本作も3時間近くもあり、終盤はいつもある程度尿意を我慢しなければならないからだ。
まあ、『踊る大捜査線』も約2時間半だから似たようなものかもしれませんが。

きのうは平日午後にもかかわらず、TOHOシネマズ新宿のスクリーン10は最前列を除いてほぼ満席。
僕が当日昼前にネットで確保した席も前から3列目中ブロックの左端と、予告編を観ている時から少々のけぞらなければならなかった。

ところが、いざ映画が始まると、のけぞったまま時間が経つのを忘れてしまう。
序盤は売り物の戦闘シーンや神話の怪物も登場せず、イタケの王オデュッセウス(マット・デイモン)、妻で王妃のペネロペ(アン・ハサウェイ)、ひとり息子の王子テレマコス(トム・ホランド)を中心とした家族間の人間模様がじっくりと描かれる。

そこに海岸に打ち上げられた〝実物大〟のトロイアの木馬(昔は「トロイの木馬」と言いましたが)が映し出され、本作が現代にも通じる濃厚な人間ドラマであると同時に、壮大なギリシャ神話の物語であることを強烈に刷り込まずにはおかない。
ストーリーの起点はトロイア戦争が終わった後で、イタケへの帰還を目指すオデュッセウスの回想と、父を探す旅に出るテレマコス、ペネロペの再婚相手となってイタケの王に収まろうとするアンティノオス(ロバート・パティンソン)が交互に描かれる。

映画の中盤、オデュッセウスの回想にホメロスの原作や旧作映画版でお馴染みの一つ目の巨人キュクロプス(ビル・アーウィン)、巨人兵ライストリュゴネスといった怪物たちも斬新なデザインで登場。
この頃になると、自分がのけぞっているしんどさなどすっかり忘れていて、クライマックスまでグイグイ引っ張られていきました。

しかし、本作が単なる娯楽超大作ではないことを示したのは、トロイアで勝ったイタケ軍がどのような暴虐の限りを尽くしていたか、終盤にトロイア戦争の内実を詳しく描いたくだり。
ノーランが現実に世界で進行中のウクライナ戦争やガザの大量虐殺を意識していたのは間違いない、という見方はうがち過ぎだろうか。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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