『地球爆破作戦』(セルDVD)🤗😱

Colossus: The Forbin Project
101分 1970年 アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ
日本公開:1971年 配給:CIC

世界各国でAIによる人類滅亡論がかまびすしい最中、この事態を半世紀以上も前に予見していたとして注目されている1970年のSF映画。
ただし、SF映画のオールドファンの間では埋もれた名作として有名で、僕自身、小中学生の頃に何度かテレビの地上波洋画番組で吹替版を見た記憶がある。

アメリカでミサイル国防システムを全面的に管理、運営する進化型スーパーコンピュータ〈コロッサス〉が開発される。
明らかにジョン・F・ケネディをモデルとした大統領(ゴードン・ピンセント)自らこのシステムを国民に発表し、「コロッサスに任せておけばアメリカの平和は守られる」と宣言。

ところが、その途端、コロッサスは「他国に自分と同じシステムが存在する」と言い出し、開発者のチャールズ・フォービン博士(エリック・ブレーデン)にそのシステムとのアクセスを要求する。
その相手は、ソ連(現ロシア)が秘かに作り上げていたコロッサスと同型の国防システム〈ガーディアン〉だった。

米ソ両国首脳が急遽連絡を取り合い、コロッサスとガーディアンの通信回路を遮断すると、双方のコンピュータは「要求が聞き入れられなければ行動に出る」とお互いの国に向けてミサイルを発射。
「ミサイルを爆破してほしければ通信回路を回復しろ」と迫り、アメリカはこの要求を呑んでミサイルを爆破させられたが、ソ連は一都市が丸ごと壊滅させられた。

1970年当時は冷戦時代だったため、米ソ両政府は最後まで協力関係を築き上げることができない。
その合間にコロッサスとガーディアンはオンラインで〝合体〟を果たし、フォービン博士を24時間監視下に置いて、新たな人類監視システムを構築してゆく。

「戦争を始めるのは人間だ、人間の敵は人間なのだ。
私(コロッサス=コンピュータ)が人間を管理すれば、戦争は絶対に起こらない」

コロッサスによる高らかな宣言の「私」を「AI」に置き換えれば、この映画の先見性がよくわかる。
もちろん、フォービン博士をはじめ、人類はコロッサスに抵抗を試みるのだが。

この映画は不遇な作品で、劇場公開時に批評を書いた評論家・双葉十三郎著『ぼくの採点表』によると、試写も行われず、小さな劇場へ観に行ったら観客は11人しかいなかったという。
そもそも配給会社にヒットさせようという意欲がまるでなかったらしく、『地球爆破作戦』という邦題も内容とは何の関係もないのだからひどい。

日本では長らくビデオソフト化されていなかったところ、2000年代に入ってから米本国で再評価の声が高まり、ロン・ハワード監督でリメイクする企画も浮上。
そうしたハリウッドの動向と連動してか、ユニバーサルが2008年8月にやっと「リクエスト・シリーズ」の1本としてDVDの発売に踏み切り、僕は飛びつくようにして買ったのだった。

リメイク企画を盛り上げるためか、同年7月には、DVD発売に併せてユナイテッドシネマ豊洲で3日間限定の有料試写会も開かれている。
あれから18年、AIによる人類滅亡の危機が叫ばれている今こそ、本作をリメイクする時が来たように思うのだが。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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