
133分 2025年 チェコ、アメリカ=ユニバーサル・ピクチャーズ、フォーカス・フィーチャーズ PG12
日本配給:パルコ
ブラム・ストーカーの原作小説『吸血鬼ドラキュラ』(1897)をF.W.ムルナウが映画化した『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)を、現代アメリカのホラー映画監督ロバート・エガースがリメークした作品。
『ノスフェラトゥ』は1979年にもドイツの鬼才ヴェルナー・ヘルツォークが同じタイトルで監督しており、本作はリメーク2作目に当たる。
舞台設定と登場人物ともにストーカーの原作小説に忠実だったヘルツォーク版に対して、エガート版は様々な変更を施したムルナウ版のほうを再現。
セットの規模もヘルツォーク版よりはるかに大きくなっていて、21世紀に本格的ゴチック・ホラーの世界を構築しようというエガース監督の意気込みが伝わってくる。
主人公トーマス・ハッター(ニコラス・ホルト)と妻エレン(リリー=ローズ・デップ)が暮らす19世紀北ドイツの街ヴィスブルクの描写から、ジプシーが暮らすカルパチア山脈の寒村、オルロック伯爵(=ノスフェラトゥ、ビル・スカルスガルド)の古城まで、独特の美術と雰囲気に呑まれる観客は少なくないだろう。
とりわけ、ハッターとオルロックの最初の邂逅は背筋がブルッとくるほどの恐ろしさだ。
ノスフェラトゥのキャラは大幅に改変されており、ヘルツォーク版のクラウス・キンスキーが演じたステロタイプ的な吸血鬼に比べると、本作のスカルスガルドは血を吸うだけでなく、『エクソシスト』(1973)の悪霊パズズのようにエレンの心に入り込んでくる。
実際、悪夢を見たエレンがヒステリックな発作を起こす描写は『エクソシスト』のリーガンそっくりだ。
ヘルツォークはエンディングで皮肉っぽいオチをつけていたが、エガースはあくまでも正攻法で押し通している。
出来栄えには文句のつけようが無いけど、僕はどちらかと言えばイザベル・アジャーニが出ていたヘルツォーク版のほうが好きですね。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑