〈和田誠、映画の仕事〉展示会を見に行った🎥

日本映画アーカイブのディスプレイ

和田誠さんは僕が高校生のころ、映画にのめり込み、文筆業を志すきっかけのひとつを与えてくれた人である。
『お楽しみはこれからだ』『倫敦巴里』『シネマッド・ティーパーティ』といった著作を読むたび、俺も好きな映画を観てこんなエッセイを書けるようになりたいなぁ、と思ったのだ。

そんな和田さんの残した作品の数々が今、日本映画アーカイブで展示されていると知ったら、何を置いても見に行かないわけにはいかない。
以下、懐かしく鑑賞した展示品の画像を貼っておきます。

アル・ジョルスンについてのノート
映画ノート「Jimmy」(1955年頃)

このノートに感想が記されている映画はヒッチコックの代表作『裏窓』(1954年)。
文末に双葉十三郎がスクリーンで連載していた『ぼくの採点表』を真似た☆(20点)★(5点)の採点がつけられている(僕もやってました)。

『独裁者』(1940年)のポスター
キネマ旬報のために描いたジョン・フォードのポスター(1975年)
『サイコ』(1950年)のアンソニー・パーキンスのポスター
萩原健一の似顔絵
初監督作品『麻雀放浪記』(1984年)のポスター
自主制作アニメ『MURDER!』(1964年)

和田さんのファンにとってとりわけ貴重な展示作品が、1964年に自主制作した9分間のアニメ『MURDER!』。
メイドが刺殺された主人の死体を発見し、その犯人をタイプが異なる7人の探偵が捕まえるというオムニバス作品で、和田さんのイラストが動画となって動く様が実に面白い。

ロビーのモニターで『新・監督は語る 和田誠』(2023年、近代映画協会)で和田さんのロングインタビューを観ることができたのもうれしい。
この中で和田さんは「次回は時代劇を撮りたい」と語っており、すでに原作となる舞台劇の映像化に想いを巡らせている。

もし〝和田時代劇〟実現したら、どんなに独特で、でもクラシカルで、面白い映画が出来上がっていたのか。
映画小僧だった中高生のころにタイムスリップしながら、和田さんの仕事の素晴らしさに改めて胸が熱くなった展示会でした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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