『エルビス オン ステージ』(WOWOW)😉

Elvis: That’s the Way It Is
95分(劇場公開版108分) 1970年 アメリカ=MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
日本公開:1971年

PICKUP前項『エルヴィス』(2022年)のWOWOW初放送に併せてオンエアされた1970年のドキュメンタリー作品。
兵役を終えた後、映画俳優として売り出そうとして失敗し、ふたたび歌一筋で生きていくことを決意したプレスリーが復帰コンサートで熱唱する姿が描かれている。

ステージの場面はすべて、1970年8月、連日ラスヴェガスのインターナショナル・ホテルで行われたショー。
マネージャー(本作のクレジットではテクニカル・アドバイザー)のトム・パーカー大佐がカジノで作った借金を帳消しにしてもらうため、プレスリーに内緒でホテル側と契約を結んでいた、と『エルヴィス』で暴かれた曰く付きのイベントである。

半世紀以上も前に35ミリフィルムで撮影された作品なので、決して画質、音質は良いとは言えず、デジタルリマスター処理もされていないが、それでもプレスリーの歌は十分聴き応えがある。
『ラブ・ミー・テンダー』、『サスピシャス・マインド』、『この胸のときめきを』など、僕も若いころによく口ずさんでいたナンバーが続き、『好きにならずにいられない』で締め括る構成がまた素晴らしい。

おやっ、と思ったのは、プレスリーがコンサートでサイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』、リハーサルでビートルズの『ゲット・バック』を歌っていること。
また、コンサートの客席に名優ケイリー・グラント、歌手兼俳優サミー・デイヴィス・Jr.など、当時のスターが来場していて、ステージ終了後にプレスリーと歓談する珍しい映像も収められている。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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