104分 2020年 アメリカ＝クラウド・バースト・エンターテインメント
日本公開：2021年 配給：アルバトロス・フィルム
舞台は1974年のハリウッド、B級、C級、というより「ゴミ映画」「クソ映画」と一括りにされるような代物ばかり撮っている弱小プロダクションのプロデューサーが、往年の西部劇スターを担ぎ出して新作の撮影を開始する。
しかし、こいつの本当の目的は、撮影中に主役の老優を事故死を装って殺し、保険金をせしめてギャングに借りた多額の借金を返済することにあった。
制作当時、プロデューサーのマックス・バーバー役ロバート・デ・ニーロは77歳、彼が35万ドルを借りたギャングのレジー・フォンテイン役モーガン・フリーマンは83歳、西部劇スターのデューク・モンタナ役トミー・リー・ジョーンズは74歳。
デ・ニーロがジョーンズを殺そうと企むたびに作戦が裏目に出て、それが次々に映画の見せ場になっていく、という展開はいかにも定石通りながら、ジイさん俳優たちの好演もあってなかなか楽しめる。
元ネタは同じ原題の1982年作品だが、キャスト、スタッフともに日本ではまったく知られておらず、劇場未公開でビデオソフトも発売されていない。
ただ、ジョーンズ演じる映画の主人公がアメリカ先住民の味方となる人物だったり、監督に抜擢された女性メーガン・アルバート（ケイト・カッツマン）が同性愛者だったりと、細かな設定は多様性重視の現代に合わせてかなり改変が行われているようだ。
エンドクレジットのあと、マックスが猛批判を浴びることになった劇中映画『尼さんは殺し屋』の予告編が流れて、これも結構笑わせる。
もしかして、本作が好評なら、このいかにも70〜80年代っぽいセクスプロイテーションも制作するつもりなのかな。
監督・脚本はデ・ニーロが全盛期に主演したアクション・コメディの快作『ミッドナイト・ラン』（1988年）の脚本を書いたジョージ・ギャロ。
日本劇場公開当時、A先生は日刊ゲンダイでニュース部からスポーツ部に異動になり、プロ野球のシーズンオフ取材に頭を悩ませていたころで、いまは無き新宿ミラノ座へ観に行ったことを懐かしく思い出しました。
オススメ度B。
ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A＝ぜひ！🤗 B＝よかったら😉 C＝気になったら🤨 D＝ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録
31『すばらしき世界』（2021年／ワーナー・ブラザース）A
30『私は確信する』（2018年／仏、白）C
29『透明人間』（2020年／米）A
28『アナザーラウンド』（2020年／丁、蘭、瑞）A
27『スーパーマン&ロイス』シーズン1(2)「引き継いだもの」（2021年／米）A
26『スーパーマン&ロイス』シーズン1(1)「パワーの目覚め」（2021年／米）A
25『日本女侠伝 侠客芸者』（1969年／東映）A
24『昭和残俠伝 血染の唐獅子』（1967年／東映）B
23『大コメ騒動』（2021年／ラビットハウス）C
22『王の願い ハングルの始まり』（2019年／韓）A
21『フラッシュ・ゴードン』（1980年／米）B
20『タイムマシン』（2002年／米）C
19『アンダーウォーター』（2020年／米）C
18『グリーンランド−地球最後の2日間−』（2020年／米）B
17『潔白』（2020年／韓）B
16『ズーム／見えない参加者』（2020年／英）C
15『アオラレ』（2020年／米）B
14『21ブリッジ』（2019年／米）B
13『ムニュランガボ』（2007年／盧、米）C
12『ミナリ』（2020年／米）A
11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』（2021年／東宝映像事業部）C
10『死霊の罠』（1988年／ジョイパックフィルム）C
9『劇場版 奥様は、取扱注意』（2021年／東宝）C
8『VHSテープを巻き戻せ！』（2013年／米）A
7『キャノンフィルムズ爆走風雲録』（2014年／以）B
6『ある人質 生還までの398日』（2019年／丁、瑞、諾）A
5『1917 命をかけた伝令』（2020年／英、米）A
4『最後の決闘裁判』（2021年／英、米）B
3『そして誰もいなくなった』（2015年／英）A
2『食われる家族』（2020年／韓）C
1『藁にもすがる獣たち』（2020年／韓）B
