新小岩〈五十番〉のオムライスが食えなくなった!

荒川赤羽桜堤緑地

日本シリーズ終了から一夜明けたきのう、久しぶりにロードバイクでサイクリングに行ってきました。
日増しに寒さが募っている折、この日のように最高気温21℃の小春日和に走っておかない手はない。

コースはいつも通り、自宅から池袋、王子、赤羽を抜けて、新荒川大橋から荒川河川敷に出てダラダラ、トロトロ、のんびりと流す。
30㎞近くに達したところで平井大橋に上がり、新小岩の〈五十番〉でランチ。

新小岩駅南口の商店街にある〈五十番〉

A先生は1987年から7〜8年、新小岩の1Kアパートで暮らしていて、毎週のようにこの〈五十番〉に通っていた。
一時、10年近くご無沙汰していた時期もあったんだけど、サイクリングを始めてから、荒川河川敷を流すたびにまた訪ねるようになりました。

何しろ町中華なので、味・量・値段と三拍子そろったコスパが非常に高い。
久しぶりに寄ったとき、ママさん、調理人のお二方が、ちゃんと僕を覚えていてくれたこともうれしかったから。

今年は7月30日、いつものようにこの店でマイ定番メニュー、オムライス、野菜スープ、おろしニンニクを注文。
注文したあとで財布を忘れてきたことに気づいたら、「また自転車でこのへんに来たときでいいわよ」とママさんに言われ、ますます愛着が湧いた。

オムライス680円、野菜スープ300円、おろしニンニク100円

いや、このお勘定は次の日に電車で行って済ませたんですけどね。
きのうはあの〝無銭飲食〟以来、約3カ月ぶりに定番メニュー3点セットを食おうと張り切っていたら、こんな貼り紙が。

こりゃ何だ! どういうことだ? と、店に入るや、早速調理人さんに取材。
そうしたら、今月初旬、某グルメサイトに「町中華最高峰のオムライス」などと紹介されたところ、たちまち一見のお客さんが殺到し、連日店の前に行列ができるようになったんだそうです。

都合の悪いことは重なるもので、いつも店内の切り盛りしているママさんが事情により、しばらく出勤できないことに。
そんな最中、行列客と常連客との間でトラブルが発生し、調理人さん2人だけではとても対応できなくなってしまった。

〈五十番〉は昼飯時でもそれほど混み合っていないので、常連客は誰でも空席を見つけたら、僕もそうですが、自分の好きな席に座る。
そこへ、明らかに一見とわかる行列客に、「あのー、並んでるんだけど」などと言われたら、不快に感じる常連さんがいても当然。

「町中華ってのは、常連さんとのお付き合いで成り立ってるところだからね。
いくらネットで人気が出ても、そういうのは嵐みたいなもので、1カ月も続くかどうかわからないでしょ。

それでいったん、オムライスはやめることにしたんですよ。
いまは人手不足だし、こっちも頭がこんなに(イライラして掻き毟る仕草)なっちゃったから

僕はここで昭和50年から、彼(もうひとりの調理人)は47年からやってる。
お客さんも親子2代、3代で通ってくれてる人もいるんで、やっぱりそういう常連さんが通えなくなっちゃったら、と思うもの」

…そんな調理人さんのお話を聞いて、つくづく思いました。
〈五十番〉は、ネットで情報をばらまいたり、その情報を頼りに足を運ぶようなところじゃないんだよなあ、と。

町中華ってのは、あくまでも通っているお客さんひとりひとりの、リアルな生活の延長線上にある。
また、そういうお客さんに支えられているからこその町中華なんだよね。

酢豚ライス1080円

というわけで、この日は酢豚ライスをチョイス。
これがまた美味いんですよ!

荒川河口

なお、この日の走行距離は54.3㎞でした。
次回のサイクリングではぜひオムライスを…まだ無理だろうな。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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