『踊る大捜査線N.E.W メトロポリスを駆け抜けろ!』😉

142分 2026年 東宝
@新宿ピカデリー スクリーン8 PM12:00~

意外にと言っては失礼ながら、結構楽しめる出来栄えでした。
このシリーズの第1作『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998)だけWOWOWで観て以来、DVDを購入して何度も再見したほどの熱烈なファンなのです。

その後、織田裕二主演版の続編3本はすべて劇場公開時に観ているけれど、どの内容もヒットした割には第1作に遠く及ばなかった。
正直なところ、第2作『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以降の第3、4作はあまり期待せずに映画館へ足を運んだら案の定、予想通りの出来栄えにとどまっていた。

それでも観に行ったのは、『踊る大捜査線』独特の雰囲気を味わいたかったからである。
スクリーンを通して、織田演じる青島俊作をはじめとした湾岸署のキャラクターたちにもう一度会いたかったからだ、と言ってもいい。

などと書くと、イッちゃってる踊るマニアのようだけれど、今回もまた、僕と同様の郷愁を刺激されて本作を観に行ったファンは多いんじゃないだろうか。
実際、きのう14日の新宿ピカデリーも、僕とそれほど変わらない世代のお客さんがほとんどだった。

そういう世代にとって本作が面白いのは、1997年から始まったフジテレビドラマ版から映画版前作までの作品に対するオマージュに溢れているからだ。
オープニングで繰り広げられる大がかりな〝誘拐事件〟が、日米のヒット映画のパロディーを交えて描かれているあたりから、映画版第1作でネタにされた『天国と地獄』、第2作の『砂の器』を彷彿とさせ、思わずニヤニヤしないではいられない。

主役の青島は湾岸署の一刑事から警視庁捜査一課の警部補になり、50代後半(実年齢58歳)の年齢相応に白髪混じりで体力の衰えを訴えるようになっているが、上司の命令を無視して現場へ首を突っ込む無鉄砲な性格はまったく変わっていない。
そこに青島の新たな仲間として、捜査のバディを組む30代の刑事・白洲迅と趣里、警視庁クリニックの医師・佐藤二朗がからむ。

さらに、テレビドラマ版からの旧友・甲本雅裕、ユースケ・サンタマリアらも脇を固め、湾岸署の上司だったスリー・アミーゴスもカメオ出演。
この新旧脇役陣の組み合わせが絶妙で、過去作の端役だったキャラクターも含めて、あっ、あいつも出てきた、こいつもいたのか、と懐かしさに浸りながら楽しめる。

しかし、深津絵里が出ていないことにはやはり一抹の寂しさを感じる。
彼女を含め、スピンオフ作品『室井慎次 生き続ける者』(2024)で死んだ柳葉敏郎、現実にご本人が他界したいかりや長介の映像を多用しているあたりには賛否両論あるでしょうね。

エンディングでははっきり、続編もあり得ることが予告されている。
本作が面白かったからといって、次回作も同じ手を使うのは難しいだろうし、必ずしも期待できるとは限らないから、のんびりと待つことにしよう。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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