
141分 2023年 イギリス、アメリカ、アイルランド=サーチライト・ピクチャーズ R15+
日本配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
『フランケンシュタイン』と『アルジャーノンに花束を』をかけて2で割ったようなストーリーを、デヴィッド・リンチとテリー・ギリアムとアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥをかけて3で割ったようなタッチで映像化した作品。
つまり、独特の世界観で惹きつけられはするのだが、ついていけない雰囲気も濃厚に漂っていて、手放しで面白かったとは言えない映画である。
主人公ベラ・バクスター(ユマ・サーマン)は妊娠中に橋から投身自殺し、解剖医ゴッド(ウィレム・デフォー)によって胎児の脳を移植され、フランケンシュタインの怪物のように蘇る。
ゴッドの依頼でベラの観察記録をつけていた医学生マックス(ラミー・ユセフ)は、やがてベラを愛するようになって婚約。
ところが、2人の結婚契約書の作成を請け負った弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)が、ベラに横恋慕して駆け落ち。
最初のうちは熱烈に愛し合っていたが、オツムが子供のままのために非常識な振る舞いをするベラにダンカンがブチ切れ、高級レストランや豪華客船など、行く先々で大喧嘩を繰り広げる。
ついには2人とも一文無しになってしまい、仕方なくベラは娼婦となってカネを稼ぐようになる。
このくだりまで、劇場公開時にも話題になった血飛沫が飛び散るグロい場面、文芸作品とは思えない露骨なセックスシーンが続く。
そうした経験を積み重ねるうち、ベラの脳が成長を続けて、クライマックスでは一個の人間の成長物語として得心のゆく結末が待っている。
ただし、そこに行き着くまでの過程で延々と続くセックスがらみのグジャグジャを描いたくだりは、観る人によっては汚らしくて退屈に感じられるはず。
アカデミー主演女優賞を受賞したサーマンも評判に違わぬ熱演で、幼児から大人の女に急速に成長する姿を巧みに演じているが、正直なところ、メークもセリフもどぎつくて辟易させられた場面も少なくない。
そんなの観る側の好みの問題だろう、と言われればそれまでですが。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑