『犬も食わねどチャーリーは笑う』😉

117分 2022年 キノフィルムズ

ホームセンターの副店長・田村裕次郎(香取慎吾)は、客として来店した日和(岸井ゆきの)と結婚4年目で、表向きにはおしどり夫婦に見えるが、実はセックスレスとなって2年半。
そんな裕次郎が食堂で弁当を食べていると、スマホを片手に近寄ってきた従業員の蓑山さん(余貴美子)に〈旦那デスノート〉というSNSを見せられる。

世の奥様族が匿名で夫の悪口を投稿しているサイトで、蓑山さんはここに本名の「MINOYAMA」で自分の亭主をこれでもかとばかりにこき下ろしていた。
裕次郎はそこに、どう見ても自分のこととしか思えない書き込みを発見して驚愕。

投稿者のハンドルネーム「チャーリー」は夫婦がマンションで飼っているフクロウの名前だったことから、妻の日和ではないかと疑念を抱くようになる。
一方、日和は裕次郎に内緒で〈デスノート〉の主催者(田村健太郎)に会い、これまでの投稿を本にしないかと持ちかけられていた。

設定とアイデアは実に面白く、香取と石井、脇を固める余、ホームセンターの従業員・若槻広人を演じる井之脇海の好演とも相まって、先行きを大いに期待させる。
監督、脚本を手がけたのは漫才グループ・髭男爵のメンバーだった市井昌秀で、笑わせどころと泣かせどころの緩急のつけ方がなかなか巧み。

ただ、クライマックスは何がなんでも盛り上げようとし過ぎ、いささかスベッている印象が強い。
それにしても、フクロウって鳥籠に入れずに飼えるのか、最後まで気になって仕方がありませんでした。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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