消える書店、変わる本屋📚

JR東京駅八重洲口前に立つ八重洲ブックセンター

最近、新刊書籍はなるべくネット書店ではなくリアル書店で買うようにしています。
ここ数年、街角の本屋さんが閉店したり、規模を縮小したりするケースが目立ち、ここにきてますますその傾向が強まっているように思うから。

5日は紀伊国屋書店の新宿店へ行き、探していた本が見つからなかったので、スケジュールを書き込めるカレンダーを購入。
学生時代から足繁く通っているこの老舗も、今年春から進められている改装とリニューアルに伴い、新刊が並んだ1階のレイアウトが随分変わった。

壁の本棚とフロアのテーブルの間のスペースが広がり、あちこちにきれいなポップが立てられて、いかにも今時のおしゃれで知的な空間、という感じ。
それも悪くはないんだけど、昭和生まれの活字中毒としては、昔のように壁もフロアも本棚に書籍がぎっしり、という雰囲気があってこその紀伊國屋だと思うんですけどね。

きのうは八重洲ブックセンターに行き、ツイッターで見かけた台湾人作家のノンフィクションを買った。
アマゾンで検索をかければすぐ見つかることはわかっているし、実際にそうしたんですが、その場でポチッとやるよりも、こういう地味でも熱い支持を得ている作品が、リアル書店でどのような形で売られているかを確かめたかった。

見つけたのは国際情勢関連の書籍が置かれた4階のフロアで、隅っこの棚に1冊だけ残っていたものを購入。
こういう時、思わず内心で「やった!」とガッツポーズを取り、買った本との縁を感じたりするんですよね。

1階のフロアにはこんな案内板が

しかし、この八重洲ブックセンターは来年3月で閉店することが決まっている。
築地にあった会社・日刊現代に勤めていたころはここにもよく通い、たくさん本を買った。

フリーになってからは、新刊を出すたびに8階の講演会場でプロ野球OBの橋本清さん、金石昭人さん、高橋慶彦さんとトークショーをさせてもらった。
そういう思い出深い本屋さんがなくなるのは寂しい限りです。

8階の講演会場

八重洲ブックセンターから神保町に足を伸ばし、現在本店改装中の三省堂書店の仮店舗へ。
ここは毎年、この時期にイベントフロアで大々的なカレンダーフェアが開催され、都内随一の品揃えを誇っていたのに、仮店舗でスペースのない今年は1階のフロアの片隅に少数のカレンダーが並べられているだけ。

買いたくなるようなカレンダーがなかったので、書泉グランデのほうに足を向けたら、ここのフロアも随分様変わりしていた。
とくに、プロレスとアダルト商品の専門フロアになっちゃった地下1階は、同じ神保町でそういうジャンルに特化した古書店のようで、ちょっと異様に感じましたね。

とはいえ、八重洲で売り切れと言われたテレビドラマの解説本が、ここの3階、エンタメ本フロアには数冊平積みされていたのには、さすがこのテのマニアックかつアカデミックな専門書に強い書泉。
もちろん、これもすかさず購入しました。

きょうは書店ではなく、石井スポーツでウォーキング用のシューズを買うためにまた神保町へ。
帰りにまた書泉グランデに寄り、きょうから1階のフロアで始まった〈女性タレントカレンダーフェア〉を覗くと、商品の半分はAV女優。

そこにグラドルのカレンダーも混じっていて、A先生のような年寄りには区別がつかない。
いや、区別がついたら買うつもりだった、というわけではないんですが。

昔、寝室にしている洋間にはポスター代わりになるタレントや映画会社のカレンダーをかけていたけれど、ここ数年はもっぱら名画や風景写真。
これを探すのはまたの機会にしよう。

 帰途、新宿区長選の期日前投票をしてきました
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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