『大コメ騒動』(WOWOW)🤨

107分 2021年 ラビットハウス

大正7(1918)年、全国で発生した米騒動の発端、富山で起こった「越中女房一揆」を映画化した作品。
この時代、海辺の村で暮らしている漁村では、漁師の亭主が樺太へ出稼ぎに行ってしまうため、嫁が沖仲仕をして日銭を稼ぎ、子供や姑を食べさせなければならなかった。

主人公・松浦いと(井上真央)ら女房たちが浜辺に運ぶ米俵は、沖に停泊した蒸気船に積み込まれ、北海道へ運ばれていく。
いとたちはちょうど米一升分の報酬を現金でもらうと、そのまま米屋へ直行して日銭を米に変え、ふたりの子供と姑タキ(夏木マリ)に食べさせていた。

ところが、シベリア出兵が迫り、兵隊に大量の米が回されることになったため、市場の米が不足して値段が急騰。
沖仲仕の日銭で米が買えなくなった村の女房たちは、リーダーの清んさのおばば(室井滋)に率いられ、浜辺の米俵の積み出し作業を急襲する。

それでも米の値上がりは止まらず、安くしろと米屋に迫る女房たちの前で米屋が店を閉めてしまうと、今度は女房たちが夜中に米屋へ押しかけて「米を寄越せ」とシュプレヒコール。
米屋側の黒幕・黒岩仙太郎(石橋蓮司)が業を煮やして反撃に乗り出し、おばばを警察に逮捕させたり、米騒動に参加している女房の子供を酷い目に遭わせたり、さらには米屋の女将とみ(左時枝)がいとをはじめとする女房たちの懐柔にかかったり。

監督は快作『空飛ぶタイヤ』(2018年)の本木克英で、実際には非常に深刻だっただろう歴史的事件を、持ち前のユーモアと温かなタッチを交えて再現している。
ただ、そのぶん、クライマックスの大乱闘が迫力に欠けているようにも観えるのが痛し痒し、ですかね。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

22『王の願い ハングルの始まり』(2019年/韓)A
21『フラッシュ・ゴードン』(1980年/米)B
20『タイムマシン』(2002年/米)C
19『アンダーウォーター』(2020年/米)C
18『グリーンランド−地球最後の2日間−』(2020年/米)B
17『潔白』(2020年/韓)B
16『ズーム/見えない参加者』(2020年/英)C
15『アオラレ』(2020年/米)B
14『21ブリッジ』(2019年/米)B
13『ムニュランガボ』(2007年/盧、米)C
12『ミナリ』(2020年/米)A
11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』(2021年/東宝映像事業部)C
10『死霊の罠』(1988年/ジョイパックフィルム)C
9『劇場版 奥様は、取扱注意』(2021年/東宝)C
8『VHSテープを巻き戻せ!』(2013年/米)A
7『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年/以)B
6『ある人質 生還までの398日』(2019年/丁、瑞、諾)A
5『1917 命をかけた伝令』(2020年/英、米)A
4『最後の決闘裁判』(2021年/英、米)B
3『そして誰もいなくなった』(2015年/英)A
2『食われる家族』(2020年/韓)C
1『藁にもすがる獣たち』(2020年/韓)B

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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