DeNAの4人連続初球攻撃、4度降雨中断⚾️☔️

ネット裏から眺めたDeNAの練習風景

きょうはヤクルトの本拠地・神宮球場へDeNA主催の中日戦を取材に行ってきました。
18~20日に巨人の東京ドームで行われたDeNA-広島3連戦と同じく、ホームの横浜スタジアムが東京オリンピックの準備で使えないため、今度は神宮を間借りしたもの。

球場は他球団の本拠地でも、主催球団がDeNAに変わると、取材する上でのルールもDeNA流になる。
例えば、神宮ではヤクルト戦の場合、記者がスタンドに出るのは完全NGだが、ハマスタではお客さんが入る開場時間まで記者がスタンドで練習を見ることは可能で、このとき、顔見知りのチーム関係者に挨拶することもできる。

このルールは今回の神宮でも適用されており、試合前は久しぶりにネット裏のスタンドからじっくりと練習を視察しました。
ベンチスタートが続いている新人・牧は風船とメディシンボールを使ったウォーミングアップのあと、ティー打撃の最中に田代巡回打撃コーチに右手の使い方についてアドバイスを受けていた。

打撃絶好調で6月3冠、セ・リーグ打率トップのオースティンは練習前、練習後と中日のパウエル打撃コーチと延々と長話をして、何やらメモを手渡されている。
試合ではスタメン落ちし、ベンチからも外れたので、さてはコンディション不良に関する相談でもしていたのか…と、試合前の練習を見ているだけでも、いろいろな〝異変〟が目につくものです。
(※オースティンは試合後、ワクチン接種の副反応で倦怠感があったため、と三浦監督がコメント)

この位置から試合前パフォーマンスを見たのは初めて

さて、試合はDeNA先発・坂本の立ち上がりが悪く、初回にビシエド、福田のタイムリーで2点を献上。
その裏、DeNAも先頭・桑原が中日先発・大野雄からヒットで出塁するも後続が続かず、打線が一巡した三回まで無安打無得点に終わると、四回にはガラリと戦法を変えた。

この回、先頭の桑原が初球を打って二塁打にすると、続く柴田も初球をタイムリーヒット。
さらに佐野が初球を中飛、ソトも初球を一飛ときて、思わずTBSテレビの戸崎アナが解説者の中日OB・吉見一起氏に「4人連続初球攻撃ですよ、4人連続って見たことありますか、吉見さん」。

すると吉見氏も、「いやあ、見たことないですねえ、経験もないですね」。
確かに珍しい現象かもしれないけれど、僕は3人までなら見たことがあります。

DeNAの田代巡回打撃コーチが、途中休養した大矢監督に代わって監督代行を務めていた2009年、なかなか点が取れないことに業を煮やし、「全員初球から打っていけ!」と号令をかけ、選手たちが本当にその通りにしたら、みんなヒットを打てなくて3人3球であっという間に攻撃が終わってしまった。
当時のことは拙著『最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社、電子書籍)詳しく書いてあります。

田代コーチはきょうベンチ入りしていたから、ひょっとしたら同じ指示を飛ばした可能性はある、とはあくまでも僕の推測ですが。
そうした攻めの姿勢が奏効したのかどうか、五回にはしばらくスタメン落ちしていた牧が代打で登場し、右中間へ値千金の同点タイムリー三塁打。

直後に桑原の逆転タイムリーが飛び出し、ついにDeNAが3-2と逆転に成功。
というふうに、それなりに見どころと中身のある試合だったんだけど、最後はそのまま、六回1死一塁で降雨コールドゲームとなりました。

試合終了は夜8時55分

ちなみに、きょうは降雨中断が4度に及び、中断時間が計1時間15分。
1度目が三回の6時30分~47分の17分、2度目が五回の7時19分~39分の20分、3度目が六回の7時56分~8時9分の13分、4度目でコールドゲームとなったのがその裏の8時30分~55分。

六回までひとりで投げた中日・大野雄は小刻みな中断とぬかるんだマウンドに渋い表情。
一方、中日ベンチでは最初の中断中、根尾がボール3個を使って器用にお手玉をやっていました。

隣で見ていた郡司が挑戦しようとしてもうまくいかず、根尾にアドバイスされてもやっぱりできなくてやめちゃった場面がおかしかった。
一昔前ならテレビの〈好プレー珍プレー〉で紹介されていたでしょうね。

試合後はしっかりファンに挨拶

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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