子供の日🎏、ヤクルト・奥川と阪神・佐藤輝の対決を無観客試合で観る⚾️

阪神・矢野(左)、ヤクルト・高津両監督がメンバー表の確認を終えた直後

大型連休最終日となった子供の日、神宮球場へヤクルト−阪神戦を観に行ってきました。
興味の焦点は、ヤクルトの先発投手・奥川泰伸と阪神のドラフト1位新人・佐藤輝明の開幕カード以来2度目の対決。

片や元甲子園のスター・奥川がプロ2年目で初勝利を挙げたばかりなら、片や佐藤輝も新人離れした打棒でファンとマスコミを騒がせている真っ最中。
コロナ禍の世の中でなければ、神宮のスタンドが満員札止となったことは間違いない顔合わせが、無観客試合で行われなければならない。

試合前、スタジアムDJのパトリック・ユウさんに会ったら、「早くお客さんに戻ってきてほしいですよねえ」。
そのパトさんをはじめ、つば九郎、ダンスチーム〈Passion〉のみなさんは試合を盛り上げるべく、有観客試合のときと同様、精一杯のパフォーマンスを披露していました。

グラウンドをバックに拳を突き上げるパトリック・ユウさん
つば九郎も恒例の「きょうのひとこと」
〈Passion〉のダンスはスタンドで

こんなときに限ってと言おうか、こんな状況にもめげずにと言うべきか、奥川は6回3安打2失点と今季最高、つまりプロでベストのナイスピッチング!
6イニングがプロ最長、86球がプロ最多なら、クオリティスタート(6回以上を自責点3以内に抑える投球)も5度目の先発で初めての力投だった。

注目された阪神・佐藤輝との対決は、二回の第1打席が146㎞の真っ直ぐで空振り三振、四回の第2打席は得意のスライダーでライトフライ。
4番・大山を打席に迎えても動じることなく、スライダーでショートゴロ、セカンドフライに打ち取っている。

もったいなかったのは三回、2死を取ってから近本、糸原に連続して四球を与え、マルテに2点タイムリーを打たれた場面。
打順が2巡目に入ると、スライダーの軌道を読まれ、タイミングを外したいチェンジアップ、空振りを取りたいフォークをファウルされて、まだこれというウイニングショットがない弱みが出てしまうんですね。

またこんなときに限って、阪神・青柳を打線が攻め切れず、奥川をしっかり援護できない。
三回を除いて毎回走者を出しながら1点を取るのがやっとで、八回には岩崎相手に無死一・二塁のチャンスを作るも、やはり1点しか取れず、結局2−2の同点で試合終了。

奥川は降板後、「調子自体はまずまずでしたが、3回に先頭打者を簡単に出してしまい、2死から四球を2つ出してしまったのがもったいなかったです」と殊勝にコメント。
目の覚めるようなベストピッチは、お客さんが戻ってきてからの楽しみに取っておく、ということにしておきましょうか。

阪神はリードしていた試合を同点に追いつかれてもハイタッチ
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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