『ドリーム・ゲーム 夢を追う男』(VHS)😉

Talent for the Game 
91分 1991年 アメリカ=パラマウント・ピクチャーズ 日本劇場未公開

某新聞社の先輩記者YさんがFacebookで紹介していたアメリカ製野球映画VHS版第2弾。
本作も日本では劇場公開されておらず、1992年にCIC・ビクタービデオから税込15275円もするセルビデオ(画像)が発売されているが、キャストにもスタッフにも売り物になる名前がないためか、DVD化はされていない。

というわけで、これもYさんに無理を言って貸していただき、自宅のビデオデッキでじっくりと鑑賞。
そうしたら、始まって10分ほどたったところで、随分前にレンタルビデオで観ていたことを思い出したのです。

主人公のヴァージル・スウィート(エドワード・ジェームズ・オルモス)はカリフォルニア・エンゼルス(現ロサンゼルス・エンゼルス)のスカウト。
ケガでメジャーリーグにこそ上がれなかったが、マイナーで長年キャッチャーをやっていた経験を生かし、全米を駆け回ってはアマチュア投手の球を自ら受けて〝金の卵〟を発掘しようとしている。

開巻早々、ヴァージルがヘッドランプ付きのヘルメットをかぶって炭鉱の縦坑に降りていく。
一体何事かと思ったら、坑道に到着するや、ここをブルペン代わりにして、マスクをかぶり、ミットをはめて若い坑夫の投球を受け始めた。

続いてヴァージルが足を運んだのはひなびた牧場で、若い牧童の投球を受けようとしたら、雨のために戸外で投球練習ができない。
スケジュールに追われているヴァージルには日を改めて出直す余裕がなく、庇のある別々の牛舎に分かれて牧童の投球を受ける。

僕が観たことを思い出したのはこの牧場のシーン。
牛舎と牛舎の間をボールが行き交う牧歌的な構図が、いかにもアメリカの野球映画らしい。

この時代、メジャーのスカウティングには近代化の波が押し寄せつつあったが、ヴァージルが信じているのは自分のミットと身体で受けた感触だけ。
若いスカウトがスピードガンを持ってスタンドに現れると、「そんなものを持ち歩いてると服のセンスまで悪くなるぞ」と毒づき、スピードガン表示が出る前に「131キロ(81マイル)だ」と、投手の正確な球速を言い当てて見せる。

しかし、彼が所属するエンゼルスの新オーナー、ギル・ローレンス(テリー・キニー)は旧態依然としたファーム・システムの改革を目指し、ヴァージルのような古いタイプのスカウトを切り捨てようとしていた。
クビにされないためには、オーナーのお眼鏡に叶う〝金の卵〟を見つけ出すほかない。

尻に火がついたスカウト旅行の最中に愛車が故障し、ヴァージルは同行していた恋人ボビー(ロレイン・ブラッコ)と大ゲンカ。
その車の修理に寄ったところで、サミー・ボディーン(ジェフ・コーベット)という草野球のエースと巡り会う。

主演のオルモスは『ブレードランナー』(1982年)のガフ役の印象が強いが、本作ではまた違った持ち味を出しており、元捕手のスカウトという役どころがよく似合っている。
実は、13歳でロサンゼルス・ドジャースのファームに参加し、捕手としてプレーした経験があるそうで、道理でキャッチングがサマになっているはずだ。

サミーを一人前に成長させるクライマックスはいささかご都合主義が過ぎるが、オルモスが見せる会心の笑顔が印象的で、後味も爽やか。
この俳優、もっと野球映画に出演すればよかったのに。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

102『スラッガーズ・ワイフ』(1985年/米)B
101『死霊のはらわた』(2013年/米)C※
100『死霊のはらわた』(1981年/米)A※
99『脱出』(1972年/米)A※
98『ラスト・ムービースター』(2018年/米)B
97『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン3』(2015年/米)A
96『FBI:特別捜査官 シーズン1 #19白い悪魔』(2019年/米)B
95『FBI:特別捜査官 シーズン1 #18ラクロイ捜査官』(2019年/米)C
94『FBI:特別捜査班 シーズン1 #17秘密のデート』(2019年/米)C
93『世界の涯ての鼓動』(2017年/独、仏、西、米)C
92『殺人鬼を飼う女』(2019年/KADOKAWA)D
91『軍旗はためく下に』(1972年/東宝)A※
90『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年/米)B
89『ラスト、コーション』(2007年/台、香、米)A
88『サンセット大通り』(1950年/米)A※
87『深夜の告白』(1944年/米)A
86『救命艇』(1944年/米)B※
85『第3逃亡者』(1937年/英)B※
84『サボタージュ』(1936年/英)B※
83『三十九夜』(1935年/英)A※
82『ファミリー・プロット』(1976年/米)A※
81『引き裂かれたカーテン』(1966年/米)C
80『大いなる勇者』(1972年/米)A※
79『さらば愛しきアウトロー』(2018年/米)A
78『インターステラー』(2014年/米)A
77『アド・アストラ』(2019年/米)B
76『FBI:特別捜査班 シーズン1 #16ラザロの誤算』(2019年/米)C
75『FBI:特別捜査班 シーズン1 #15ウォール街と爆弾』(2019年/米)C
74『FBI:特別捜査班 シーズン1 #14謎のランナー』(2019年/米)D
73『FBI:特別捜査班 シーズン1 #13失われた家族』(2019年/米)D
72『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン2』(2014年/米)A
71『記憶にございません!』(2019年/東宝)B
70『新聞記者』(2019年/スターサンズ、イオンエンターテイメント)B
69『復活の日』(1980年/東宝)B
68『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』(2004年/米)B
67『ロケットマン』(2019年/米)B
66『ゴールデン・リバー』(2018年/米、仏、羅、西)B
65『FBI:特別捜査班 シーズン1 #12憎しみの炎』(2019年/米)B
64『FBI:特別捜査班 シーズン1 #11親愛なる友へ』(2019年/米)B
63『FBI:特別捜査班 シーズン1 #10武器商人の信条』(2018年/米)A
62『FBI:特別捜査班 シーズン1 #9死の極秘リスト』(2018年/米)B
61『病院坂の首縊りの家』(1979年/東宝)C
60『女王蜂』(1978年/東宝)C
59『メタモルフォーゼ 変身』(2019年/韓)C
58『シュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年/米)C
57『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1』(2013年/米)A
56『FBI:特別捜査班 シーズン1 #8主権を有する者』(2018年/米)C
55『FBI:特別捜査班 シーズン1 #7盗っ人の仁義』(2018年/米)B
54『FBI:特別捜査班 シーズン1 #6消えた子供』(2018年/米)B
53『FBI:特別捜査班 シーズン1 #5アローポイントの殺人』(2018年/米)A
52『アメリカン・プリズナー』(2017年/米)D
51『夜の訪問者』(1970年/伊、仏)D
50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A 

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
Scroll to top