カープの野球がどうもおかしい⚾️🎏

きょうの観衆は4973人

東京ドームでの2度目の有観客試合取材は、本日の巨人−広島戦でした。
先日も感じたことですが、観衆が5000人以下に抑えられた現在のスタンドの光景は、ここを本拠地にしていたころの日本ハムの主催ゲームの雰囲気になんとなく似ている。

あのころの日ハムはチームカラーにオレンジが入っていたから、スタンドの青いシートとのコントラストがそっくりに見えるんだよね。
もちろん、当時は2階席にお客さんを入れてなかったり、ライトスタンドには他球団と同様、私設応援団がいたり、違っている部分も結構多いんだけど。

新しくなったコンコースの売店も出される商品は限られている

コンコースのショップは店構えも商品も軒並みリニューアルされています。
ただし、生ビールのサーバーの前にはカバーがかけられていて、メニューのそばには「アルコール類の販売は控えさせて頂きます」という表示がある。

試合前のトークショーに登場した川相昌弘氏(右)
最近、ヘアスタイルを変えてますが、似合ってるかな?

有観客試合では、東京ドームの名物企画レジェンズシートも再開。
巨人と相手チームのOB解説者がテレビやラジオの中継ではしゃべれない〝放送禁止ネタ〟満載のトークを披露する、というもので、この日のゲストは巨人側が川相昌弘さん、カープ側が野村謙二郎さんだった。

私もこのお二方には現役時代から何度かインタビューしていまして、彼らが本気でしゃべったら、ガチな野球談議もぶっちゃけ暴露トークも非常に面白い!
川相さんの場合、ダジャレに走っちゃうと止まらなくなる危険性もありますが、さて、きょうのお客さんには楽しんでもらえたでしょうか。

六回、失点を重ねながら投げ続けるケムナ

しかし、正直なところ、きょうの試合はカープ側から見ると後味が悪かった。
最大の原因は、佐々岡監督が3番手で登板させたケムナを〝晒し者〟にしてしまったことにある。

1−4とカープが3点リードされて迎えた五回、ケムナは2死無走者からウィーラーに二塁内野安打を打たれ、自らの暴投で二進されると、中島の右前タイムリーで1点を追加される。
そこまではまだよかったが、回またぎした六回に打者11人、岡本プロ初の満塁本塁打を含む4安打、押し出しを含む3四球で一挙6失点。

1死満塁で丸に押し出し四球を与えたところで交代かと思ったら、ベンチの佐々岡監督はまったく動かず。
それだけならまだしも、岡本に満塁弾を浴びたあともなお続投させ、この回2度目の満塁のピンチをつくり、岸田の犠牲フライでやらずもがなの1点を取られてしまった。

結局、この回最後の打者となった投手・田口がバットを振ろうともせずに見逃し三振となるまで、ケムナはマウンド上でほったらかしにされたまま。
佐々岡監督としては、自分が撒いたタネは自分で始末させる、ケムナのような若者の尻拭いを他の投手にさせるわけにはいかない、と考えていたのかもしれず、それはそれで理解もできる。

しかし、カープは本拠地で巨人に3連敗したばかりで、この東京ドームでは何としてもやり返さなければならなかったところ。
ましてや、前日も巨人に負けており、このカードの連敗が4に伸びていたのだからなおさらだ。

こういう使われ方では、ケムナにとってもショックのほうが大きく、今後のために得るところはなかったと思う。
もちろん、佐々岡監督にはまた別の考え方があるのかもしれないが。

ちなみに、カープの巨人戦5連敗は2013年以来7年ぶり。
なんだか3連覇の前の暗黒時代に戻りつつあるようで、A先生にとっては今季一番疑問と不満の残る負け方でした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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