『ロケットマン』(WOWOW)😉

Rocketman 121分 2019年 イギリス、アメリカ=パラマウント・ピクチャーズ
日本配給:東和ピクチャーズ

ロック界のカリスマ的スーパースター、エルトン・ジョンの半生を描いた作品。
2年前に『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)、『アリー スター誕生』(同年)を観ているので、正直、〝三番煎じ〟的な印象は拭えなかったが、そういう先入観を抜きに観れば、大変よくできたミュージカルである。

オープニングで、お馴染みのド派手な衣裳に身を固めたエルトン(タロン・エガートン)が登場し、どこへ行くのかと思ったら、断酒会のミーティングルーム。
ここでエルトンがアル中であることをミングアウトし、幼少期に両親から冷たくされ、お婆ちゃん子として育った過去が語られる。

親に愛されなかったことがエルトンを音楽に傾倒させ、ピアノで親に褒められたいという思い、つまり親の愛情への渇望がミュージシャンとしての源泉になった。
と、文字にすれば非常に堅苦しくなるエルトンの根っ子の部分を、ミュージカルの歌として表現している手法が実に秀逸。

エルトンがゲイであることに目覚め、酒とドラッグに溺れていくくだりが『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディー・マーキュリー(ラミ・マレック)そっくり、という印象はやはり否めない。
エルトンをたらし込んで食い物にする悪徳マネージャー、ジョン・リード(リチャード・マッデン)との関係も、『ボヘミアン』をみていると、描き方にもう一工夫ほしかった、と思ってしまう。

もっとも、本作の監督デクスター・フレッチャーは『ボヘミアン』の監督ブライアン・シンガーが製作途中で降板した後、監督を引き継いだ人物(クレジット上はシンガーが監督、フレッチャーは製作総指揮)。
エルトンもフレディも同じゲイでアル中のヤク中で、そういうキモとなる部分を同じ監督が演出しているのだから、両者の伝記映画が似てしまったのは仕方がない、と言えば仕方がないか。

主役のエガートンは最初のうち、本物のエルトンとは似ても似つかないエラの張った顔なのが気になったが、歌唱力は合格点。
特殊メイクアップ賞を2度受賞したカズ・ヒロにメイクしてもらえば、もっと完成度の高い映画になったでしょうね。

エルトン肝煎りのミュージカルだけあり、歌曲はどれもこれも素晴らしく、アカデミー賞歌曲賞、ゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞している。
エンディングにエルトンがライヴツアーからの引退を宣言したという映像とテロップが流れて、この映画が世界中のファンに対するステージ・ミュージシャンとしてのお別れのメッセージであるようにも感じられました。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

66『ゴールデン・リバー』(2018年/米、仏、羅、西)B
65『FBI:特別捜査班 シーズン1 #12憎しみの炎』(2019年/米)B
64『FBI:特別捜査班 シーズン1 #11親愛なる友へ』(2019年/米)B
63『FBI:特別捜査班 シーズン1 #10武器商人の信条』(2018年/米)A
62『FBI:特別捜査班 シーズン1 #9死の極秘リスト』(2018年/米)B
61『病院坂の首縊りの家』(1979年/東宝)C
60『女王蜂』(1978年/東宝)C
59『メタモルフォーゼ 変身』(2019年/韓)C
58『シュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年/米)C
57『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1』(2013年/米)A
56『FBI:特別捜査班 シーズン1 #8主権を有する者』(2018年/米)C
55『FBI:特別捜査班 シーズン1 #7盗っ人の仁義』(2018年/米)B
54『FBI:特別捜査班 シーズン1 #6消えた子供』(2018年/米)B
53『FBI:特別捜査班 シーズン1 #5アローポイントの殺人』(2018年/米)A
52『アメリカン・プリズナー』(2017年/米)D
51『夜の訪問者』(1970年/伊、仏)D
50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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