『ザ・ボート』(WOWOW)😉

The Boat 89分 2018年 マルタ

最近、たまに見かけるようになったマルタ製作の映画。
もともと、『グラディエーター』(2000年)や『キャプテン・フィリップス』(2013年)など、ハリウッド映画のロケ地として有名な国だが、現地で協力していた映画人たちが自国の作品を世に問おうとハッスルしているのかな。

本作も全編マルタの美しい海や海岸でロケ撮影を行ったワンシチュエーション・スリラー。
ボートで釣りに出た若者(ジョー・アゾパルディ)が、霧の中でセールを畳んだクルーザーに接触され、不信に思って乗船したら降りられなくなってしまう。

船尾にアイオロス号と書かれたクルーザーの中には誰もおらず、若者は船内の無線機で近くの港に放棄船だと連絡するが、まったく反応がない。
仕方なくボートに戻ろうとしたら、手すりに括りつけておいたボートがいつの間にかなくなっていた。

それならクルーザーで帰港しようと、セールを張って操縦を始めたら、ブームが背中に当たって海に転落しそうになるあたりから、次第に怖さ、不気味さが増してくる。
とくに、用足しに入ったトイレのドアが開かなくなり、ドアをドンドン蹴飛ばしている最中、通じなかった無線機に貨物線から連絡が入り、「進路を変えてくれないと衝突するぞ」と警告されるくだりが非常に秀逸。

ここから先はネタバレになるので書けませんが、映画先進国でもないマルタの低予算映画としては大いに健闘していると評価していいでしょう。
監督は主演ジョー・アゾパルディの父親ウィンストン・アゾパルディで、脚本、製作も父子共同という家庭内手工業的小品サスペンスの佳作。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの採録

47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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