荒川河川敷はまだ泥だらけ

水門近くにある荒川岩淵関緑地バーベキュー場は全面泥に覆われていた
船やボートが接岸できる桟橋も破壊されている

連日、野球やラグビーを観戦したことをBlogやSNSにアップしていると、「いいですね」「裏山ですね」などというコメントをよくいただく。
しかし、そう言われるほど、楽しい日常を送っているわけでは決してない。

むしろ、スポーツ観戦が仕事や習慣として日常化している生活は、かえって心身によくない影響があるのではないか。
ラグビーなら2時間、野球はときに4時間半以上座りっぱなしだし、ワンプレー、ワンシーンを凝視しながら、これをどう表現してやろうか、などと考えてしまうからストレス発散にもならないし、というより逆にストレスが溜まるし。

そんなことを考えていたら、先月28日、慈恵医大で受けた人間ドックの結果表が届いた。
これが、ここ数年で一番ひどい。

悪玉コレステロール値が高く、治療のための投薬を始めたことは以前も書いた通りだが、脂肪肝、糖尿病の疑いがあることも指摘されている。
先日排出したばかりの腎臓結石も、もう3個目ができていた。

こりゃいかん、運動だ、運動だ!
スポーツは見るもんじゃなく、やるもんだ!

と一念発起、7月13日から3カ月1週間ぶりにロードバイクでサイクリングをしてきました。
2001年に本格的にスポーツ・バイシクルを始めてから、これだけブランクが空いたのは、11年1月にマウンテンバイクで鎖骨1本、肋骨5本を骨折したとき以来じゃなかったか。

というわけで、新荒川大橋から荒川河川敷に出てみたら、ここにもまだ台風19号の爪痕が残っていることに呆然。
いつもの日曜なら大勢の人たちで賑わっている岩淵水門近くのバーベキュー場が全面泥に覆われて、いまだに営業再開の見通しが立っていない(上の画像)。

荒川河口から20㎞あたりのゴルフ練習場は現在も完全に水没
以前はこんな風景が広がっていたのだが(7月13日撮影)

岩淵水門の先に進むと、7月は青々とした芝生が敷き詰められていたゴルフ練習場が完全に水没。
その手前の河川敷の舗装路も流れ込んだ泥が固まり、同好の士の自転車が通るたびに土埃が上がっている。

江北橋右岸サッカー場は泥だらけでゴールが倒れたまま
手前の舗装路も自転車で通れる状態ではない

最もひどかったのは江北橋付近で、サッカー場が泥に覆われ、そこに倒れたゴールが埋まっている。
手前の道路は泥だらけで、とてもサイクリングやジョギングができるような状態ではない。

墨田区の野球場もネットが倒れ、ゴミが堆積

さらにその先、墨田区の野球場もたくさんのゴミが堆積したまま。
心身ともにリフレッシュしようと走った荒川河川敷で、これだけ多くの台風の影響が残されていることに、いまさらながら驚かされた。

このあたりを数十キロサイクリングするようになって18年ほど経つけれど、これほどひどい有様になっているのは初めて。
いまさらながらに、台風19号の猛威を思い知りました。

どのようなスポーツを観るにも、サイクリングひとつやるにも、そういうことができる環境があってこそ。
私のような人間は、そういう単純だけれども大切な事実を、この災害を機にしっかりと認識する必要がある。

スポーツを観て、感じたことを表現し、生活の糧を得ていることにも、様々な意味で感謝しなければならない、と痛感しました。
改めて、被災地で生活されている方々にお見舞いを、新たに見つかった犠牲者の方々にお悔やみを申し上げます。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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