ラミレス采配ズバリ‼︎

この球場の記者席からの眺めは壮観。三塁側スタンドでは2階席を増築中。

梅雨の中休み、久しぶりに横浜スタジアムへ行ってきました。
野球のゲーム取材自体、9日神宮球場でのヤクルト-DeNA以来8日ぶりだから、少々ご無沙汰してしまった。

グラウンドで会った同業他社の方々は異口同音に、「お日様を見るの、久しぶりですねえ」。
ただし、汗っかきの私にとっては、必ずしもありがたいことではなく、「おかげで蒸し暑くなりましたねえ」。

…などとブツクサ言っていた午後2時半ごろ、ラミレス監督が現れて恒例の試合前囲み開始。
現在は2位とあって、たちまち大勢の記者やアナウンサーが群がりました。

まず、「きょうは少しラインナップを変えた」とラミレス監督自ら明かしたオーダーは以下の通り。
1番・中井、2番・筒香、3番・ソト、4番・ロペス、5番・宮﨑、6番・伊藤、7番・関根、8番・浜口、9番・大和。

このところ1番に定着していた神里、きのう2安打2打点だった佐野をベンチに下げてしまった。
カープの先発が左のジョンソンだから1番を左の神里から右の中井に代えたのはまだわかる。

しかし、関根は左打者で今季まだノーヒット。
それなら、同じ左打者でもきのう活躍した佐野を続けて使ったほうがいいのではないか、足の速い乙坂もいる、という当然の疑問に対するラミレス監督の回答はこうでした。

「そこは私のカンというか、フィーリングで選んだ。
関根は今シーズン、ヒットを打っていなくて、左に左をぶつけることにはなるが、そういうところで使ったらヒーローになることもあるのが野球だから」

関根の後ろの8番には投手を入れ、ショートの大和を9番に回した。
ラミレス監督は昨季まで、8番投手、9番ショート倉本という並びにこだわっていたけれど、今季は投手を9番に入れるオーソドックスな打順に変更。

それを昨季のパターンに戻したのは今季初めて。
その理由を聞かれたラミレス監督曰く、

「大和は得点圏打率が高いから、関根が塁に出たら、浜口に送りバントさせれば、そこで大和に回るし、1番にもつながりやすくなる。
きょうは関根が勝利に貢献してくれれば、私はベリーハッピーだよ」

さあ、そんなにうまくいくものかねえ…と思ったら、この関根起用が物の見事にハマったのです。
2−1と1点リードで迎えた七回、先頭の関根がカープの遠藤から今季初安打となるセンターオーバーのツーベース。

ラミレス監督はすかさず代打・石川に送りバントさせ、ワンアウト三塁となったところで遠藤が痛恨のワイルドピッチ!
事実上、勝負を決める3点目が入った。

さながら、昔の長嶋さんを思わせるミラクル采配でしたね。
おかげで、11連敗を脱したばかりのカープはまた2連敗。

まあ、きょうはDeNAがいい野球をしたと言うしかない。
カープのネタは後日、改めて書きます。


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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