『ア・フュー・グッドメン』(WOWOW)🤗

A Few Good Men
137分 1992年 アメリカ=コロンビア・ピクチャーズ
日本公開:1993年 配給:コロンビア・トライスター映画

30年前に劇場公開されて以来、そのうちテレビ放送かレンタルビデオで観よう、と思いながら、今日まで未見のまま、やっとWOWOW録画で鑑賞が叶った作品。
ちなみに、1993年は長嶋さんが巨人の監督に復帰し、日刊ゲンダイの巨人担当だった僕は原稿の量が格段に多くなった半面、広報部に理不尽な理由で出禁にされたため、二重の意味で大忙しとなった年である。

キューバのグアンタナモ米軍基地で、海兵隊員ウィリアム・T・サンティアゴ一等兵(マイケル・デロレンツォ)がハロルド・W・ドーソン兵長(ウォルフガング・ボディソン)とローデン・ダウニー一等兵(ジェームズ・マーシャル)に暴行された上、毒殺されるという事件が起こる。
調査に当たったジョアン・ギャロウェイ大佐(デミ・ムーア)はこの事件にウラがあると察し、自ら被告人2人の弁護を担当しようと名乗りをあげるが、軍はダニエル・キャフィ中尉(トム・クルーズ)を弁護人に指名。

キャフィは優秀な司法長官だった父親の息子でありながら、いつも事前の司法取引で事件を収束させている事なかれ主義者で、実際の裁判で法廷に立った経験がなく、事件を任されてからも野球の練習にウツツを抜かしている。
クルーズは現実にも野球ファンで、『宇宙戦争』(2005年)でもミズノのグラブを使ってキャッチボールをする場面が挿入されており、野球界にとってはまことにありがたい余談のネタにもなった。

現場検証と型通りの調査をするため、キャフィはギャロウェイ、弁護人補佐のサム・ワインバーグ中尉(ケヴィン・ポラック)とともにキューバに飛び、グアンタナモで被告人2人の上司だったネイサン・R・ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)、マシュー・アンドリュー・マーキンソン中佐(J・T・ウォルシュ)、ジョナサン・ケンドリック中尉(キーファー・サザーランド)と接見。
彼らの冷たく非協力的な態度、とりわけ威圧的なジェセップのセリフに、最初はやる気のなかったキャフィも徐々に不信感を抱き始める。

途中まではいかにも法廷ミステリーにありがちな展開だな、という印象が拭えなかったが、キャフィとジェセップが対峙するクライマックスは見応えたっぷり。
ニコルソンの貫禄十分の大芝居に対し、まだ30歳だったクルーズが時に受けに回り、時に真正面から張り合って、一歩も引かない熱演を見せる。

去年の『トップガン マーヴェリック』もよかったけど、こういう熱気と迫力はやはり、若いころでないと表現できないでしょうね。
ただ、クルーズと同い年のムーアがハスキーという以上の男性みたいなガラガラ声だったのには、ちょっと驚きました。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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