7試合連続で視聴率40%超え、WBC決勝の「抑え大谷」を予言していた解説者⚾️

Number 〈WBCプレビュー号〉に掲載された拙文

大変手前味噌な話題で恐縮ですが、きのうのWBC決勝での大谷の抑え起用、開幕前から堂々と〝予言〟していた球界OBの解説者がひとりいました。
2006年の第1回WBCで投手コーチを務め、最初の世界一に貢献した武田一浩さんです。

このコメントはSports Graphic Number 1069 〈WBCプレビュー号〉の拙文『栗山ジャパン5つの論点』に掲載された。
発売日はWBC1次ラウンド、東京プール開幕戦・日本-中国戦が行われた9日。

これが武田さんのコメント

武田さんにインタビューしたのは2月13日。
このとき、「大谷クローザー論」を熱心に主張されていて、これは是非とも原稿に盛り込まなければ、と思いました。

ところが、4日後の2月17日、大谷が所属するエンゼルスのフィル・ネビン監督が「大谷の起用法はDH&先発投手限定」と発言。
僕はプロ野球キャンプ取材のために沖縄滞在中で、Number の編集さんといったん「大谷抑え案」を削るべきかどうかと話し合い、僕の要望で残すことに。

このときは、残すことに意味があるのかどうかと思ったけれど、結果的には〝正解〟だった。
大谷本人、栗山監督、ネビン監督の間では、決勝前日までに「抑え登板なら1イニング限定でOK」との合意が交わされていたようです。

ちなみに、初稿を送信した2月24日は僕の60回目の誕生日でした。
…ってのは、だからどうしたって話だけどね。

なお、きのうの決勝のテレビ中継(テレビ朝日)の平均視聴率は42.4%と、予想通り7試合連続40%超え。
これを予言していた某テレビ局の先輩に教えてもらった関東地区の世帯視聴率、詳細は以下の通りです(ビデオリサーチ調べ)。

7:00〜8:25(試合前を含む) 平均23.7% 瞬間最高40.6%(8:24)
8:25〜12:08 平均42.4% 瞬間最高46.0%(11:34)
12:08〜12:45(試合終了後のインタビュー) 平均32.5% 瞬間最高41.3%(12:08) 

先輩曰く「恐らく、今年の年末、視聴率ベスト10とかでは、上位7番組がWBCだろうね」。
きのうも話題にした「毎分最低視聴率」は39.9%(8:54、8:55)で、それ以外は40%超えと、準決勝と同じ状況だったそうです。

なお、この〝被害〟を最も受けた時間帯の裏番組の視聴率は以下の通り。

日本テレビ『バゲット』0.9%
NHK『選抜高校野球』0.7%
TBS『ひるおび』0.6%
フジテレビ『ノンストップ』0.6%
テレビ東京『なないろ日和』0.3%

先輩曰く、「WBC以外の全番組が1%未満だもんねえ」。
WBCが42.4%だったのに対して、他5局合計3.1%だから、視聴者のほとんどがWBCを見ていて、裏番組はCMの時間帯にちょこっとチャンネルを変えていただけ、だったんじゃないかな。

TBSが夜に再放送した『緊急特番決勝』(19:00〜22:00)は平均22.2%、瞬間最高31.4%(21:55)。
再放送でも視聴率を稼げることはわかっていただろうに、決勝を生中継したテレ朝が裏番組裏の『くりぃむクイズミラクル9 3時間SP』を差し替えられなかった理由はよくわかりません。

先輩によると、「同じ時間帯のTBS『ワールド極限ミステリー』はVTR主体に構成された番組なので、出演者や事務所との絡みなど、テレ朝よりも諸問題をクリアしやすかったんじゃないか」。
しかし、同じスポーツのライブ中継がその〝被害〟を受けたとなると、気の毒になる。

とくに、フジテレビ『世界フィギュアスケート選手権2023 女子ショート』が、「もろにWBC再放送の煽りを食って」(先輩談)3.3%にとどまったのは大変残念でした。
坂本花織が今年最高の演技を見せただけにね。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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