『小さなミニチュア鉄道の大冒険 スコットランドの大地をゆく』(全10エピソード/NHK-Eテレ)🤗

The Biggest Little Railway in the World
240分(1エピソード24分) 2018年 イギリス=LOVE PRODUCTIONS
初放送:2022年12月8日PM10:30〜2023年2月16日PM10:30

イギリスのプロダクションが2018年に制作し、4年後の2022年からNHKがETVでミニシリーズとして放送をスタートしたドキュメンタリー作品。
あまりにも山野が険しいため、本物の鉄道が敷設できなかったスコットランドのハイランド地方のトレイル、グレートグレインウェイにミニチュア鉄道を敷き、模型の蒸気機関車シルバー・レディで走破する過程が描かれる。 

スタート地点はフォート・ウィリアム、ゴール地点はインバネスという小さな町で、全走行距離は110㎞(正確には114㎞)。
発案者のディック・ストローブリッジというオジサン(と言うよりオジイサン?)の元、この計画に賛同したボランティア56人が集結し、当局から許可された12日間の期間内にゴールしようと悪戦苦闘する姿が描かれる。

いきなりの難所が川幅の広い運河で、機関車用の渡し船を作って横断しようとしたらバランスを崩し、危うく引っくり返ってあわや沈没の大ピンチに。
さらに、人間の足なら簡単に歩ける坂道、一跨ぎにできるような小川でも、ミニチュア鉄道にとっては大変な難所となって立ちはだかる。

そのたびに長い橋をつくったり、牽引機を使ってシルバー・レディを引っ張り上げたり。
シルバー・レディは電池や充電式で動く模型ではなく、本物と同じ蒸気機関で走っており、天候や路面状況によって故障したり、脱線したりする。

こうして当初の予定が遅れに遅れ、ボランティアが徹夜で作業をしてもなかなか進まず、一時はゴール到達は絶望的かとも思われたのだが。
クライマックスで、全行程で一番大掛かりなループ橋をシルバー・レディが上って行く場面が一際感動的でした。

ディックとナレーションを務める大塚芳忠、ボランティアたちの声を担当する井上和彦の吹き替えも大変効果的。
日本語バージョンじゃなかったらここまで楽しめなかったかもしれませんね。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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