『犯罪博士』(セルDVD)🤨

The Amazing Dr. Clitterhouse
87分 モノクロ 1938年 アメリカ=ワーナー・ブラザース 日本劇場未公開

〝元祖ハードボイルド〟ハンフリー・ボガートと〝元祖ギャングスター〟エドワード・G・ロビンソンの共演作と言えば、すぐにジョン・ヒューストン監督の不朽の名作『キー・ラーゴ』(1948年)が思い浮かぶ。
しかし、その10年前、本作が制作された1938年はロビンソンのほうが格上で、ボギーはまだ『化石の森』(1936年)でやっと注目されるようになったばかりの悪役専門俳優に過ぎなかった。

ロビンソン演じる主人公クリッターハウス博士は表向きの職業は開業医、実は犯罪心理学者としての研究材料を収集するため、自ら宝石泥棒をしているという裏の顔を持つ。
という設定からして非常にトンデモな映画で、クリッター博士は患者の宝石を盗んだあと、研究を深めるために女親分ジョー・ケラー(クレア・トレヴァー)率いる強奪品の故買屋一味に接触。

この一味で一番腕利きの宝石泥棒がボギー扮するロックス・ヴァレンタイン。
クリッター博士とは最初から馬が合わず、何かと角突き合っているのでクライマックスではさぞかし凄絶な対決を見せてくれるのかと思ったんだけどねえ。

原作者が皮肉を効かせたつもりらしいオチの付け方はまったくの腰砕け。
僕のようにボギーやロビンソンに興味を持つオールドファン以外には退屈かも。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

DVD10枚組 発行:株式会社コスミック出版 発売:2019年9月9日 定価1800円=税別
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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