野球が長過ぎる原因は…🥱🕘⚾️

東京ドーム、試合終了直後の電光掲示板

今週末、東京ドームで行われた巨人-DeNA3連戦、第1戦(8日)が4時間2分、第2戦(9日)が3時間26分、そしてきょう10日の第3戦がこのカード最長の4時間14分。
きのうまでのNPB公式戦の平均試合時間(9回試合のみ)が3時間6分だから、両チームが連日いかに長い時間をかけて野球をやっていたかがわかる。

スコアは第1戦が3−3で引き分け、第2戦2−0、第3戦8−3でDeNAが2連勝と、そんなに時間がかかるほどの点数は入っていない。
にもかかわらず試合時間が延び、見ていて実際よりもダラダラと長く感じられた要因の一つは、無駄な四球にあると思う。

例えば、第1戦のDeNA先発・今永は8回を1安打1死球無失点で、1−0のまま試合を終えられれば2時間半で済むはずだった。
が、三浦監督が今季の勝ちパターンにこだわったのか、九回に抑えの山崎康を投入したら、吉川尚にソロ本塁打を打たれて同点に。

その後、延長十一回に巨人・原監督がマウンドに送った今村がまた、輪をかけた大乱調。
先頭の桑原をはじめ、3四球を与えて自ら満塁のピンチを招き、DeNAの守備固め要員・関根に2点タイムリーを浴びて勝ち越されてしまった。

ところが、直後の延長十一回裏、DeNA4番手・平田が巨人の代打・ポランコに同点2ランを被弾。
その次の打者・重信に平田が四球を与えると、三浦監督が入江にスイッチして、試合時間はさらに延びた。

つまり、長時間化の問題の本質は、四球の数ではなく、四球に起因する悪循環にあるんですよ。
打たれたくない投手が四球を出し、負けたくない監督が投手を代え、守っている野手のリズムも悪くなり、そのたびにどんどん試合時間が延びていく。

第2戦のDeNA先発・浜口も、結果は7回3分の1を無失点に抑えたけれど、三者凡退は2回だけで4四球。
とくに、初回2死からの3番・丸への四球、三回の先頭だった8番・中山への四球は、浜口本人にとってはもちろん、試合においても余計な時間を費やす一因となった。

実際、浜口は試合後、「結果はよかったけど、内容はよくなかった」と率直に語っている。
球には力があり、せっかく同じチームに今永といういいお手本もいるのだから、もっと攻撃的にストライクを取るピッチングをしてほしいですね。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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