『ウルトラマン』第30話「まぼろしの雪山」ハイビジョンリマスター版(NHK総合)😉

26分 2022年6月19日午前2:00~
制作:TBS、円谷プロダクション 初放送:1967年2月5日

初代『ウルトラマン』の脚本家、金城哲夫、上原正三の青春を描いた傑作ドキュメンタリードラマ『ふたりのウルトラマン』の地上波初放送に合わせてオンエアされたハイビジョンリマスター版の2本目。
沖縄出身の金城が舞台を南の海ではなく雪山に移し替え、子供に対する差別と迫害というテーマを描いた力作である。

飯田山という雪山の麓の村で暮らすみなしごの娘ゆき(富永幸子)が村人や子供にいじめられ、「ウー!  ウーよぉー!」と叫ぶと怪獣ウーが現れる。
ゆきはもともと里子として継母に引き取られたよそ者の娘で、継母が雪山で迷って凍死したのに、ゆきだけが助かったことから、「雪女の娘」「雪ん子」と呼ばれて迫害されていた。

調査にやってきた科学特捜隊のハヤタ(黒部進)、アラシ(石井伊吉)、イデ(二瓶正也)は、ゆきの身の上には同情しながらも、スキー場で暴れ回るウーには攻撃を加えざるを得ない。
ハヤタはウルトラマンに変身してウーと格闘するが、その最中にウーは忽然と姿を消し、ウルトラマンは例によって空へ飛び立っていく。

その直後、カットが変わって雪の中で行き倒れになっているゆきの姿が映る。
しかし、ハヤタ、アラシ、イデはゆきの安否を一顧だにせず、ヴィートルの操縦席で「きっとどこかで元気に生きているだろう」などと楽観的なセリフを吐き、飯田山から去って行った。

温かみも人間味もまるで感じさせないこのエンディングは、金城が皮肉として意図したのか、それとも子供向け番組だからこういう終わり方でいいだろう、というTBSサイドの意思だったのか。
ゆきを演じた富永の熱演が光るだけに、こういう拭い難い違和感が残ることが、いま観直しても大変惜しまれる。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

81『ウルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」ハイビジョンリマスター版(1967年/TBS、NHK)B
80『顔』(1957年/松竹)C
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55『キング・コング』(1933年 /米)A
54『スーパーマン&ロイス』シーズン1(10)「母との再会」(2021年/米)A
53『スーパーマン&ロイス』シーズン1(9)「忠実なサブジェクト」(2021年/米)A
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49『TOKYO VICE』#6虚々実々(2022年/WOWOW、HBO Max)B
48『TOKYO VICE』#5因果応報(2022年/WOWOW、HBO Max)B
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46『スーパーマン&ロイス』シーズン1(7)「鋼鉄の男」(2021年/米)B
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14『21ブリッジ』(2019年/米)B
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11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』(2021年/東宝映像事業部)C
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5『1917 命をかけた伝令』(2020年/英、米)A
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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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