たまにはジャイアンツ球場⚾️

試合前、日本ハムの選手たちと談笑していた中田

今年は川相昌弘さんが巨人のファーム総監督に就任したこともあり、イースタン・リーグが開幕したら月に一度はジャイアンツ球場に足を運ぼうと思っていた。
が、他の仕事やら雨やらでなかなか思うに任せず、開幕後3カ月半できょうがやっと2度目。

朝9時40分に到着すると、ちょうど二軍調整中の中田翔が打撃練習をやっていた最中。
他の選手と同様、ティー打撃からバント練習、フリー打撃、最後の球拾いまで黙々とこなしていた中田の元へ、入れ替わり立ち替わり挨拶に来ていたのが、この日対戦する日本ハムの若手たち。

川相ファーム総監督をはじめ巨人の二軍首脳陣も、日本ハムの木田優夫二軍監督、矢野謙次二軍打撃コーチとあれやこれやと雑談に興じていた。
木田さんも矢野さんも巨人OBで、現役時代は結構活躍していたから、日本ハムに移籍したんじゃなく、〝出向〟しているようにも見えました。

室内練習場で三軍の投内連係が終わった直後のミーティング(左端が川相ファーム総監督、背番号70が駒田三軍監督)

きょうは巨人の二軍が朝9時から10時半過ぎまでジャイアンツ球場で練習を行った後、イ・リーグの慣例通り、日本ハムにグラウンドへ譲っていったん撤収。
ただし、川相ファーム総監督だけは休む暇もなく、その10時半から室内練習場で始まった三軍の練習の視察に向かった。

特に興味深かったのは牽制プレー、バントシフトなどのサインプレーの練習で、川相ファーム総監督、駒田徳広三軍監督が見守る中、時間をかけて綿密にやっていた。
その間、シャッターが下ろされていたため、ファンが見られなかったのは残念でしたが。

日本ハム戦には515人のファンが詰めかけた

午後1時に始まった試合は巨人の先発投手、育成選手の井上温大(はると、3年目・21歳)が6回2安打無失点と好投し、八回まで1−0とリード。
九回に3番手の沼田翔平(育成、4年目・21歳)が打たれて同点とされたものの、直後のその裏、北村拓己(5年目・26歳)が1死一・三塁からレフト前へタイムリーヒットを打ち、巨人がサヨナラ勝ちを収めた。

ヒーローインタビューに登場した北村は、「一軍ではなかなか甘い球が来ないんですが、二軍ではしっかり結果を残せるようにと思ってやっています」と、うれしさよりも危機感を滲ませたコメント。
「一軍ではまだまだ納得できる結果が出てないので、チームのためであるとともに、自分のためにも、早く一軍に上がって結果を出せるように頑張っていきたいです」と、「一軍」と「結果」という言葉を何度も繰り返していた。

こういう必死さの感じられるセリフを聞くことができるのも、二軍の試合の醍醐味(と言っては大袈裟かな)のひとつ。
なお、中田は四番DHで3打数1安打でした。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る